毎日社説「問題にきちんと向き合ってきたのか、メディアも反省を迫られる」
現時点で最も踏み込んで報じているのは朝日新聞とみられるが、毎日新聞も3回にわたってジャニーズ問題を社説で取り上げた。5月16日に「ジャニーズの性加害問題 社長は何も答えていない」と題して掲載した回では、
「多くの人気男性アイドルを抱えるジャニーズは芸能界で大きな影響力を持ってきた。問題にきちんと向き合ってきたのか、メディアも反省を迫られる」
とある。6月10日の1面コラム「余録」では
「人気タレントを抱えた芸能事務所はエンタメの世界では権威だ。小紙を含め掘り下げた報道をしてこなかったメディアの責任も否定できない。問われるのは同じような被害者を出さないために何ができるかだろう」
と論じた。それ以外にも、「ジャニーズ性加害問題 企業はどう向き合うべきか 有識者に聞く」(6月26日)と題した特集の有識者コメントや、中森明夫氏や青木理氏が連載でメディアのあり方に触れた。
読売新聞は
「男性の性被害 声上げづらく 理解してくれない周囲 『訴えは恥ずかしい』意識」(6月8日)
「性被害防止対策 強化へ ジャニーズ問題巡り 関係府省初会議」(6月14日)
といった動向を伝える記事は載せているが、社説では取り上げておらず、夕刊コラム「よみうり寸評」(5月16日)に
「ジャニー氏の所属タレントへの性加害疑惑は以前から一部で報じられていた。注視していなかった自らを叱りつつ、夢の代償を卑劣に求められた少年らの痛苦を思う」
とある程度だ。
日経新聞は5月18日の社説「芸能界の性被害防ぐ対策を」で、
「大手事務所とメディアの関係についても、自省を含め改めて考える契機にしたい」
と触れ、産経新聞は5月17日の社説にあたる「主張」欄で、次のように論じている。
「近年は、映画・演劇界でのセクハラやスポーツ界のパワハラなどで深刻な告発が相次いでいる。芸能界やスポーツ界といった、ある種の閉鎖社会における旧態依然を許容してきた悪弊は、もはや通用しないと知るべきだ。もちろんそれは、メディアにとっても同様である」
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)