「高収入・安心」謳いラオスで売春求人 外務省が「詐欺多発」と注意喚起...米国務省も報告した人身売買の実態とは

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「ツイッターの件は、外務省でも把握しています」

   外務省南東アジア第一課担当者は6月26日、取材に対し「6月のツイッターのような話はこれが始めてではなく、過去にも類似の件はあったので、それも踏まえて4月の注意喚起を出しています」とし「今回のツイッターの件は、外務省でも把握しています」と答えた。

   担当者は「今ツイッターで出ている情報は外務省としても、必ずしも真偽を確認できているわけでありません。実際外務省は真偽について把握できる立場にありません」とも話した。

   現段階で違法活動に従事させられている日本人がいるか尋ねると「個別の事案になると必ずしも網羅的に把握できているわけではないので、そういった事案が全くないかと言われると確たることは言いづらいです。他方で既に注意喚起をしているのは、これまでの経緯も念頭に置いているからです」とした。

   担当者は「注意喚起に書いているように、ボケオ県の経済特区において高額な報酬等の好条件を示して違法活動に従事させる件が多発しているので、注意してください」とする。

   東南アジア専門ジャーナリスト・泰梨沙子氏(ツイッター:@hatarisako)は取材に対し26日、ラオスの「高額求人」の実情をこう説明した。

「米国務省の人身売買に関する報告書や、地元メディアの報道によると、ラオス北部のボケオ県のゴールデントライアングル経済特区内にある中国資本のカジノを中心に、大規模な人身売買が行われています。敷地内では主に、SNSを利用したロマンス詐欺や投資詐欺が強要されています」
「犠牲者の国籍はタイやベトナム、マレーシアなどアジアが中心で、SNSで好条件の求人を見てラオスに入国した後、仕事の紹介料などを名目に借金漬けにされ、身体を拘束されます。ラオス人のほか、ミャンマー、タイ、ベトナム、中国など外国籍の女性や子供が、カジノや国境沿いなどの性風俗店に売られ、強制的に売春させられているケースもあります」

   泰氏は「一方で、ラオスでは治安当局による取り締まりや捜査能力が十分ではないほか、汚職も懸念されることから、捜査が進展せず、問題解決が容易ではないという事態となっています」と現状を伝えている。

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