巨人が波に乗れない。2023年6月28日のヤクルト戦(盛岡)は投打に精彩を欠き、0-6で零封負け。
先発左腕のグリフィンが山田哲人、長岡秀樹に3ランを浴びて6失点と踏ん張れず、打線も3安打と封じ込められて完敗だった。最大5あった貯金は1に。首位の阪神が下降気味で優勝争いに絡むチャンスだけに、首脳陣も歯がゆいだろう。
「坂本がいなくなると巨人は別のチームになる」
「地方球場で悪天候の中での登板だったので、グリフィンも投げづらさがあったと思います。相手も同じ条件なので言い訳にはなりませんが...。気がかりなのは打線です。相手から見ると、坂本勇人の穴は大きいと思います。チャンスメーク役がいなくなったというだけでなく、存在感が違う。坂本がいなくなると巨人は別のチームになる。遊撃で起用されている中山礼都、門脇誠、北村拓己は奮起して欲しいですね」(スポーツ紙デスク)
春先の打撃不振で衰えを指摘された坂本だが、まだまだリーグ屈指の遊撃手だ。
5月以降には調子を上げ、6月の月間打率.338と1番で輝きを取り戻していた。63試合出場で打率.270、10本塁打、28打点をマーク。V奪回にさらなる活躍が期待されたが、23日の広島戦(マツダ)で初回の走塁中に右太もも裏を負傷して途中交代。翌24日に登録抹消された。右太もも裏の肉離れで、前半戦の復帰は絶望的となった。坂本不在の打線は3試合で計3得点のみ。打線がつながらず、試合の主導権を握れないのが現状だ。
34歳を迎えて故障のリスクが高まっていることは避けられない。昨年も左内腹斜筋筋損傷、右膝内側側副靱帯の損傷、腰痛と度重なる故障で戦線離脱。83試合出場にとどまり、08年以来続いていたシーズン規定打席到達が14年連続でストップした。シーズン通じて出場するのは厳しい。坂本に依存しないチーム作りを考える必要があるだろう。(中町顕吾)