足立梨花とTATSUは手話通訳付き...芸能人の結婚会見なぜ開催? 識者に聞いた

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   タレントの足立梨花さん(30)と手話パフォーマーのTATSUさん(年齢非公表)が2023年6月26日に結婚記者会見を開いた。

   会見の様子は各メディアが報じたほか、足立さんはインスタグラムで「今回、なかなかない『記者会見』というものをさせていただきました」と報告。その理由については、

「お互いのファンのみなさんの中に聞こえない方もたくさんいること、あとは文章だけだと伝わらないニュアンスもたくさんあること、それを踏まえて、手話で通訳をしてもらい、私たちの想いをニュアンスや雰囲気も含めて伝えたい。そういう気持ちがあったため」

   と説明。また、TATSUさんもツイッターで「手話通訳付きが異例の会見と言われてましたが、これが『異例』ではなく『当たり前』になる時代が来てくれる事を願います」と、同様の目的があったと明かしている。

  • 足立梨花さん(2016年撮影)
    足立梨花さん(2016年撮影)
  • 足立梨花さん(2016年撮影)

それほど多くはない「芸能人の結婚披露記者会見」

   会見では手話通訳が付いていたことが話題になるなど大きな反響を呼んだほか、日刊スポーツは「足立梨花、午後結婚会見...山里亮太&蒼井優、DAIGO&北川景子ら近年珍しいツーショット報告」との見出しで報じるなど、結婚記者会見が開催されたことそのものも注目を集めた。記事では、近年の結婚会見の例として、2019年の山里亮太さん&蒼井優さんの例を起点に07年までさかのぼり、計8組が結婚会見を夫婦そろって行っていたと報じている。

   毎年発生する芸能人の結婚の件数からしてみれば、確かに珍しいと言える結婚記者会見。芸能人はどのような理由や狙いがあって結婚記者会見を開くのだろうか。J-CASTニュースはメディアエンターテインメントを研究する同志社女子大学の影山貴彦教授に見解を聞いた。

「ほっこりできる情報が世の中に発信されれば、やはり、人々は喜びます」

   影山氏は芸能人の結婚記者会見の一般的な狙いとして、夫婦となる2人が結婚を機に、芸能人としてさらなる活躍やステップアップを考えている際に、双方の所属事務所がお膳立てして開かれる場合が多いと指摘。特に、双方が芸能人であっても片方の知名度がそれほど高くない場合は、そちらの知名度を大きく引き上げることにも役立つと語った。

   あわせて、今回の足立さんとTATSUさんの例については、結婚記者会見を開いた1番の理由は本人たちの発言の通りであろうとしつつ、

「足立さんとTATSUさんが広くさまざまな環境のもとで生きておられる方に目を向けておられる、ユニバーサルな視点を持っているという印象は多くの人が持ったのではないでしょうか」

   と、副次的効果として世の人々に大きなインパクトを与えることが出来ると指摘する。

   また、影山氏は昨今の世相が今回の足立さんとTATSUさんの結婚記者会見の開催を誘発したのではないかとも指摘する。

「具体的な例を出すことは差し控えますが、最近はエンターテイメントの世界に限っても、おどろおどろしい話題が続いていました。そのような時に芸能人の結婚記者会見という、ほっこりできる情報が世の中に発信されれば、やはり、人々は喜びます。そのようなニーズに2人の所属事務所が気付いたのでしょう。あっぱれだと思います」

かつては、芸能人の結婚披露宴が生放送されていた

   最後に影山氏は、かつて、テレビで芸能人の結婚披露宴が生放送されることがしばしばあったと指摘しつつ、徐々にそれは見られなくなっていったとも語った。

「かつては芸能人の結婚披露宴はテレビにおける重要なコンテンツでした。しかし、時代が下るにつれて徐々に視聴率が取れなくなっていったことに加え、芸能人の側も私生活を切り売りしないようになりました。ただ、それでも中高年の方からは『なくなってみて分かったが、芸能人の結婚披露宴の生放送は良かったと思う』といった声をお聞きすることがあります。そうなると、先走った話で恐縮ですが、足立さんとTATSUさんが結婚披露宴を生放送するということに対する潜在的なニーズはそれなりにあるかもしれません」

(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)

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