プロボクシングの前WBO世界スーパーフライ級王者・井岡一翔(志成、34)が2023年6月24日、東京・大田区総合体育館で行われた世界戦に出場し、前WBA世界スーパーフライ級王者ジョシュア・フランコ(米国、27)に判定勝利で王座を獲得した。両者は昨年12月以来の再戦で、初戦は引き分けだった。
王者が前日計量で2.9キロオーバーの失態
WBO世界スーパーフライ級王座に続いてWBA世界同級王座を獲得した井岡。ドーピング問題や前王者の体重超過などの騒動を乗り越えて再び世界の頂点に立った34歳は、今後どのような防衛ロードを歩んでいくのか。J-CASTニュースは、TMKジムの金平桂一郎会長(57)にタイトル戦を振り返ってもらいながら今後の展望を占ってもらった。
タイトル戦が開催されるにあたり、2つの大きな出来事があった。1つ目は井岡のドーピング騒動だ。試合を3日後に控えた21日、日本ボクシングコミッション(JBC)が井岡のドーピング検査で採取された検体が禁止物質である大麻成分(THC)の陽性反応を示していたと発表した。
スポーツ紙などの報道によると、大麻成分の濃度が世界反ドーピング機関(WADA)の基準値よりも少ない微量のためJBCはドーピング違反とみなさず、24日のタイトル戦は予定通りに開催された。
2つ目は前王者の体重超過だ。23日の前日計量でフランコがリミットを2.9キロオーバーして王座をはく奪された。両陣営の協議により、試合当日のフランコの体重が58.9キロ以内ならば試合を成立させることを確認し、これをフランコがクリアしたためタイトル戦として試合が成立した。
戦前、井岡の判定勝利を予想していた金平会長は、一連の騒動を経ての王座獲得を高く評価した。