アニメもボカロもシティポップも...「海外で聞かれる日本の楽曲」なぜ集約? Spotify「Gacha Pop」に詰まった多様性

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海外で発見された日本の魅力を取り入れる「カリフォルニアロール現象」

   芦澤さんは、海外の視点から日本の魅力を捉えることで新たな価値が生まれる現象を、「カリフォルニアロール現象」と呼ぶ。日本発祥の寿司を土台に海外で独自に発展したアメリカの創作寿司「カリフォルニアロール」のように、日本の既成概念にとらわれず、海外から見た日本のポップカルチャーを象徴する楽曲を「Gacha Pop」と名付けたプレイリストを通して紹介している。

「日本人から見たらシティポップとアニメ、ボーカロイドなどの音楽は、バラバラのジャンルで一緒に並べるようなものではありませんが、海外から見たら日本のポップカルチャーを代表する楽曲として並べることができる。これらの楽曲を『Gacha Pop』という1つのコンセプトで提示し、海外の方々に関心を持ってもらいやすい形でプレゼンテーションしています」

   プレイリストの更新日は定まっていないが、多くのアーティストが新曲をリリースする水曜日と金曜日に楽曲が更新されることが多いという。

「Gacha Popはジャンルではないと考えているので、選曲に厳密な決まりごとはありません。海外で聴かれる比率の高い楽曲、スポティファイが日本のポップカルチャーを象徴していると考える楽曲、海外のバイラルチャートで上昇中の曲、アニメやSNSで話題になった楽曲など、多岐にわたります」

   芦澤さんは、SNSで感想などを共有・拡散する若い人口が多い地域は大きな影響力を持つと話す。特にインドネシアやフィリピンの若い世代が起こすソーシャルバズは世界にも伝播しやすい。

「海外で日本の楽曲がヒットするきっかけに、アニメタイアップは依然として大きな要素ですが、一般のユーザーの投稿の影響も見過ごせません。その際にアニメの文脈が加わるとすごい勢いで拡散されることが多いです。それが短尺動画でだった場合は、フルサイズで聴きたい人がストリーミングサービスを訪れ、バイラルヒットにつながります」
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