なぜ小学校のプール開きは、水が冷たく梅雨の時期である6月に始めるのだろう――。そんな疑問がツイッターに投稿され、「わかる」と共感の声が多くあがっている。
J-CASTニュースは、教育委員会に見解を尋ねた。
中止になる事態を想定して...
話題になったのは、2023年6月中旬の投稿。子育て中の母親だというユーザーが「小学校のプール開きはなぜ9月ではなく、6月にやるのか」との旨の内容で疑問を呈した。
ツイートは拡散され、小学校のプール開きの時期をめぐって、
「わかる」
「ちょっとずらして欲しい」
「ガタガタ震えて唇紫になってた」
と共感の声が多く上がっている。
一体なぜ小学校のプール開きはまだ水の冷たい6月に行われるのか。複数の自治体に取材を申し込むと、東京・墨田区教育委員会指導室の担当者が6月22日、応じた。同区ではプール開きの時期について決まりはなく、各学校の判断に任せているとしたうえで、次のように説明する。
「水泳の授業は年間で10時間程度行うことになっています。仮に7月にプール開きをすると、すぐに夏休みにはいるため、実際に学校で学習できる期間が3週間もないことになります」
7月にプール開きをし、9月初旬までプール学習をするとなると、雨など天気の兼ね合いもあり時間を確保するのが難しいという。
天気が良すぎても水温が高くなりすぎてしまい、熱中症対策でプールに入れない。そのため、中止になる事態を想定して一定の予備日を確保する必要があるとする。
「プール開きをしておけば、無理して入る必要はなく、天候や気温、水温などの兼ね合いで判断できます。水の冷たい時期に無理して入るというよりは、早めに開いておいて、入れる時期を確保しておくことが理由の一つです」
担当者は、学校によっては夏休み前に安全指導の一環として授業を行い、水難事故対策をするところもあるという。
別の自治体も異口同音
東京23区内にある別の教委も22日、取材に応じ、墨田区と同様の説明をした。
プール開きの時期は学習指導要領に合わせて各学校が決めているとしたうえで「7月に入ってからでは学習指導要領をこなすのが間に合わないことがあります」と話した。
9月だと運動会をする学校もあり、体育が次の単元内容に入るため、水泳の時間を確保するのが難しいという。
担当者は「プール開きはあくまでもこれから水泳指導を行っていくという節目で、開いたからといって必ずしもプールに入らなければならないわけではありません」と説明する。
また6月に水泳指導をするのは、水難事故等の災害を防ぐことが目的の一つだという。