「最初は不評」も、合格体験記で一転
実施に至るまでには、「東大の試験会場における雑音」の忠実な再現にこだわった。
会場となる部屋は大小さまざま。階段教室のような広い場所では、直接聞こえてくる音と、天井などに反射した音が合わさって聞きづらくなるような場合もある。
およそ800人の合格者にアンケートやヒアリングを重ね、どの教室だったか、席の位置、音の反響度合やこもり具合、環境音など精査して本番環境への理解を深め、音源を作成。自然な雑音レベルになるよう調整に苦労した。
通常の模試と雑音入りを比較すると「(得点は)確実に下がります」。不当に難しくならないよう、得点の推移を検証したうえでの結果だ。
「それでも結構、受験生からはやっぱり最初は不評で...」と苦笑する。雑音に「こんなに酷いわけない」といった反応が上がる。しかし合格体験記では一転、次のような声が多くみられるという。
「内心ここまでの雑音はやりすぎだろうと思っていましたが、本番ではそれに勝るとも劣らないほど聞きづらかったのでその威力を痛感しました」
「雑音入りリスニングはしっかりやっておいた方が良いです。当時の私はいくら本番は雑音が入るとはいえ、こんなにも酷くはないでしょと高をくくっていましたが、本番では本当にこのぐらいの雑音が混じっていました」