画像生成AIを活用してイラストと融合させたような表現の「QRコード」が2023年6月ごろからインターネット上で拡散され、「革命じゃない??」「これは流行るかもしれない」と話題となっている。
QRコード(2次元コード)を1994年に開発し、登録商標を保有するデンソーウェーブ(愛知県知多郡阿久比町)に受け止めを聞いた。
国内ではビジネス展開も始まる
画像はAIを活用して生成されており、従来のQRコードと同じく大きな四角形が3か所に確認できる一方、全体としては1枚のイラストや風景画のように表現されている。
元は海外のクリエイターが生み出した表現とみられ、当初は、複雑に積み上がった城らしき白黒の建造物の絵や、フリル付きの衣装をまとったキャラクターのイラスト、抽象的な松や波が描かれた浮世絵調の絵などが拡散された。
細かいコード部分は必ずしも角張った形ではなく、キャラの衣装の模様や背景のデザインとして溶け込んでいる。物によって、QRコードの造形として成り立っていないようにみえても、読み取りは可能となっている。
ツイッターにも情報が広がり、「革命じゃない??」「これは流行るかもしれない」と注目が高まっている。新規作成を試みるユーザーもいる。日本ではビジネス展開を始める企業も現れ、6月13日にはAIを活用したQRコード生成サービス「DRコード」が公開された。
デンソーウェーブ広報担当は21日、AIを活用したQRコードについては知っており、「QRコードを使用したさまざまな表現のひとつと受け止めています」とJ-CASTニュースの取材に答えた。
QRコードの「誤り訂正」機能が効いている?
一見不可能と思われる図柄でも読み取りが可能な理由は、あくまで想定だと前置き、「AI学習による明暗セルの明確化」や「誤り訂正の活用」が作用しているのではないかと説明した。同社公式サイトによると、QRコードには「コードの一部に汚れや破損があってもデータの復元が可能」という特長がある。
懸念事項としては、「誤り訂正を使っていると想定されるので、読取環境次第で読み取りにくくなることはある。例えば、画面の汚れ、光の入り方等で読みにくくなることが想定される」と見解を伝える。
DRコードのようなビジネス展開に関しては、「過去にも複数社によって、『デザイン性のあるQRコードビジネス』が行われていたので、特に驚きはない」。権利関係の問題はないか尋ねたところ、「現時点では、精査していない」と述べた。