「落ち着かない」「優しさ無い」京都・鴨川沿いのベンチに不満の声 丸太1つの座面、なぜ設置したのか

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   京都市内の鴨川沿いで、座面が丸太1つになっているベンチが設置され、座っても落ち着かないと、ツイッターで不満の声が上がっている。

   一体なぜこんなベンチを設置したのだろうか。京都府の京都土木事務所に事情を聞いた。

  • こんなベンチがよかった?(写真はイメージ)
    こんなベンチがよかった?(写真はイメージ)
  • 設置された丸太1つのベンチ(写真は、ガーベラ@M54FaX5VeFa03NJさん提供)
    設置された丸太1つのベンチ(写真は、ガーベラ@M54FaX5VeFa03NJさん提供)
  • こんなベンチがよかった?(写真はイメージ)
  • 設置された丸太1つのベンチ(写真は、ガーベラ@M54FaX5VeFa03NJさん提供)

メインの理由は、ホームレス対策だった

   ベンチは、通路の上にコンクリートの台座が2つあり、それらで両側を支えるように丸太1つの座面になっている。

   写真の投稿者は2023年6月19日、ベンチで弁当を食べようとしたが、落ち着かなかったとツイッターで苦言を呈した。背もたれがないため、中高年にはつらいと漏らした。そのうえで、通常の背もたれと平らな座面があるベンチにしてほしいと要望をつづっている。

   この投稿は、5000件以上の「いいね」が付くほど関心を集めている。ホームレスが寝転がれないようにした、いわゆる「排除アート(ベンチ)」ではないかとの批判も出ている。投稿者は、ずり落ちそうになるので、ここに座るのはあきらめたという。四条大橋から丸太町橋までの約1.5キロは、このベンチしか見当たらなかったと指摘した。

   共感する声は多く、「優しさの無いベンチ」「これ椅子じゃなく、止まり木」などと疑問が相次いだ。

   一方で、投稿者の主張に対して「座る場所がある。それでいいと思う」「別の場所探して食べれば良い」といった声も一部であった。

   鴨川の河川敷を管理している京都府の京都土木事務所は21日、J-CASTニュースの取材に対し、写真のベンチは、二条大橋の下の右岸に2基設置したうちの1つだとして、施設保全用地課が次のように説明した。

「橋の下は、ホームレスの方たちが雨風をしのぐため、テントを持って住まわれたりしています。普通のベンチを置きますと、そのベンチに寝泊まりしてしまいます。メインの理由は、ホームレス対策です。環境整備の一環として、長く滞在しないように、座るところを丸くした腰かけベンチにしています」

橋の下以外は、普通のフラットなベンチも設置

   橋の下の壁には、鴨川の歴史を紹介する掲示板が設置されており、短時間で鑑賞してもらうようイメージしたことも理由だという。

   京都土木事務所によると、丸太1つの腰かけベンチは、出雲路橋から四条大橋まで約4キロの区間にある6つの橋に2基ずつ、計12基が設置されている。

「京都の中心部にある都市公園の区域で、一般利用のほかに観光客も多く、市民からもホームレスの方が住み付かないように要望もありました。このベンチにしたことで、苦情は特にありません。橋の下以外は、普通のフラットなベンチも設置していますので、お弁当を食べるなどする場合は、こちらでお願いしたいと考えています。写真のところでは、壁近くに石積みがあって少し高くなっていますので、ここに腰かけてゆっくりされる方もいらっしゃいます」

   投稿者は、四条大橋から丸太町橋までは腰かけベンチしか見当たらなかったとしたが、この区間には同じ右岸に普通のベンチが17基あるとして、こう説明した。

「この区間は、みそそぎ川という水路が並行して流れており、スペースが狭くてベンチが入れにくいので、数は少なくなっています。しかし、丸太町橋まで来れば、広くなっていますので、普通のベンチも多く置いてあります」

   丸太1つの腰かけベンチは、変更なくこのまま継続利用してもらうとしている。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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