DeNAバウアーなぜ好調に? NPB4球団歴任の元コーチが指摘した「活躍する外国人選手の共通点」

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   プロ野球DeNAのトレバー・バウアー投手(32)が交流戦で3勝を挙げチーム躍進の原動力になっている。2023年6月3日の西武戦では8回3安打2失点で今季2勝目を挙げ、9日のオリックス戦では7回を投げて5安打2失点(自責1)で3勝目をマーク。14日の日本ハム戦では9回を投げ切り完投勝利で4勝目を挙げた。

  • バウアー選手(写真:AP/アフロ)
    バウアー選手(写真:AP/アフロ)
  • バウアー選手(写真:AP/アフロ)

「配球的に無駄球を投げない」

   チームは6月18日に横浜スタジアムで行われたロッテ戦に6-1で快勝し、セ・パ交流戦の首位に浮上した。19日の日本ハム戦に勝利もしくは引き分けでセ・パ交流戦初優勝が決まる。6月に入って調子を上げチームをけん引する2020年サイ・ヤング賞右腕。ペナントレースのカギを握るバウアーを元巨人のコーチ橋上秀樹氏(57)に分析してもらった。

   14日の日本ハム戦は圧巻だった。9回を投げ打者30人を相手に113球3安打ピッチング。12個の三振を奪い四球はわずかひとつ。7回に万波中正外野手(23)に許したソロ本塁打が唯一の失点で、9回は2死3塁のピンチを招いたが最後は加藤豪将内野手(28)を見逃し三振に仕留めた。

   橋上氏は、バウアーは球数と比較して三振が多いことを指摘し、その理由として無駄球の少なさを挙げた。

「配球的に無駄球を投げない。ツーストライクを取ったらボールで外すというところがだいぶ少ない。どの球も打ちにこられたらしっかり対応できるだけの質の高い球を投げている。真っすぐを待っていてそれが来てもなかなか簡単に飛ばせない球威がある。そしてストライクゾーンにきたナックルカーブをバッターが捉えにくくなっている。高低さがだいぶ出てきており、ワンバウンドになるような球をバッターが強振するようになっている。かなり高いところから曲がってきている証拠です」

   そして「2回目、3回目に登板した時に比べると、ナックルカーブひとつの球種をとってもだいぶ質が良くなっているのがうかがえる。スライダーは滑る幅や制球の面が良くなっている。左打者のインサイドにしっかり投げられるようになっている。日本のボールの曲がり幅にちょっとずつ合ってきたのかもしれません。投げるたびにいろいろなところが向上しており、色々なところで修正を加えているのがうかがえる」と分析した。

   橋上氏は6月に入ってからの投球を見て、スタミナ面がベストに近い状態に戻ってきていると指摘した。バウアーはロサンゼルス・ドジャース時代の21年7月から制限リストに入り実戦マウンドから遠ざかっていた。5月3日の広島戦で来日初勝利を挙げたが、9日の巨人戦(7失点・自責6)、16日の広島戦(7失点)では打ち込まれ連敗を喫した。

「2桁勝利は十分に行くと思います」

「日本ハム戦の完投を見ているとまだまだ余力があるようにも感じます。スタミナがベストに近い状態に戻ってきている。ブランクが長いとスタミナが最初に問題になる。その辺がクリアできてくれば、登板の間の科学的な目を使った調整法を見ても、かなり早い段階でベストのバウアーに戻ると思います」

   バウアーの調子が上がってきている要因のひとつとして日本の文化を積極的に受け入れていることを挙げた。橋上氏は楽天、巨人、西武、ヤクルトでコーチを歴任する中で、日本球界で活躍する外国人選手の共通点を見出したという。

   橋上氏は「バウアー選手は野球以外の日本での生活を非常に大事にしている」とし自らの経験から外国人選手に関する持論を展開した。

「日本に来る外国人選手が野球で活躍する上でいくつかポイントがあるが、野球以外の生活環境にいかに馴染めるかというのが非常に大きなところ。バウアーは日本に対する好奇心を含めて自分から積極的に関わろうとしている。登板のない日にスタンドで応援する選手は今まで見たことがありません。日本の生活習慣、文化に慣れるというのが野球で活躍できる基礎になる。そういうところも今後バウアーが日本で活躍できる要素だと思います」

   さらに「日本の文化、風習などを取り入れようという意識が低い選手もいました。性格的なものでしょう。その姿勢に関して分かりやすい例でいうと、ヒーローインタビューのお立ち台で片言の日本語で答える選手は順応している1つの証拠です。私の経験からそういう選手は比較的活躍します。(トーマス)オマリー、(アレックス)ラミレスなど歴代活躍してきた外国人選手は、片言ですけど日本のファンが喜ぶフレーズを入れる。これも大事なことです」と解説した。

   バウアーは6月15日に出場選手登録を抹消された。スポーツ紙の報道によると20日のイースタン・リーグのヤクルト戦に先発が見込まれ、最短登録となる25日の阪神戦で先発する可能性があるという。

   橋上氏は「2桁勝利は十分に行くと思います」とし、「登板間隔を今後どのように調整するか分かりませんが、中6日で回すことはないと思います。横浜スタジアムは屋根がなく、今後雨で中止も出てくるでしょうから平均で、中4.5日ぐらいで回る可能性が出てくる。早いスパンで回れるので勝ち星もついてくる可能性があるでしょう」と語った。

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