「人たらしではあるとは思います」
木俣氏は、万太郎がしたたかな人物か否かについてはこれまでの描かれ方では分からないとしながらも、「人たらしではあるとは思います」と指摘する。
「会う人、会う人の心を捉えて、味方になってもらっています。なんといっても、田邊教授に気に入られ、学生でもないのに、大学に見事に出入りできるようになったことと、植物の雑誌を出版できるようになったこと、印刷工場で石版印刷を教えてもらったことなどです」
続けて、こうした関門を難なくクリアしていく万太郎について、「朝ドラではそういう主人公はネガティブにとらえる視聴者もいますが、今回はそうでもない」と指摘。その理由として、
「例えば、田邊に学会誌の花を持たすとか、大窪も懐柔するといった部分は、配慮している気はします」
と、15日の放送での田邊教授のシーンや、出版記念の飲み会で研究室の大窪昭三郎講師(今野浩喜さん=44)から、機関誌について「槙野君。続き作ってくれないの?」という言葉を引き出すなど、関門を突破できる人物であるとの描写が丁寧だとの考えを示した。