1~5月累計は「コロナ前」4割の水準
香港の観光需要は回復途上だ。香港政府観光局は6月15日、23年1月~5月に香港を訪れた人が累計で1000万人を超えたと発表した。「コロナ前」(17~19年平均)の約40%の水準だという。5月は283万人で、コロナ前の56%の水準だ。
23年4月の統計では、国別の内訳も明らかになっている。香港に来た人全体は289万2256人で、そのうち中国本土以外が58万3695人。そのうち日本からは1万9179人だ。一連のキャンペーンで、こういった需要を回復させたい考えだ。
ただ、国安法の存在が足かせになる可能性もある。日本に留学している香港人大学生が23年3月上旬、身分証更新のために香港に一時的に戻った際、国安法違反容疑で逮捕されたためだ。日本留学中に香港独立を支持するメッセージをSNSに投稿したことが問題視されたとみられている。この事案は、香港の外での行為が罪に問われる「域外適用」の初の事例とみられるとして4月に広く報じられた。香港人だけではなく外国人が香港の外で行った表現活動も罪に問われる可能性が指摘されている。こういった状況が観光客を萎縮させるおそれもある。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)