店や施設などの電話番号が載った職業別電話帳「タウンページ」を見て「薄さに驚いた」「薄すぎて困惑してる」などとSNSに書き込むユーザーが相次いでいる。分厚い本をイメージしていた人が少なくないようだ。
実際のところタウンページは薄くなったのか。J-CASTニュースは、タウンページを発行・配布するNTTタウンページ(東京都港区)に詳しい話を聞いた。
「分冊により薄くなっております」
タウンページは、店や企業を探したい時に、職業名やサービス名などから電話番号を調べることができる電話帳だ。黄色い表紙に可愛らしい顔が描かれた「タウンページ君」というキャラクターもいて、2019年7月末には誕生25周年を記念した企画も行われている。
タウンページの薄さは2023年5月中旬、ツイッター上の投稿で話題になった。薄さに驚きながら写真付きで紹介されると、他のユーザーからは「痩せたな」「こんなに薄いのね」などと驚愕する声が相次いだ。4月中旬にも別のユーザーから同様の投稿があり、こちらも話題になった。
実際にタウンページは薄くなったのか。NTTタウンページ広報は「収録エリアの見直し等に伴う分冊により薄くなっております」と取材に回答。例えば東京23区では、15年時点では17版発行していたが、「お住まいのエリアの情報を収集しやすくし、ご利用者の利便性向上を図る事」(広報)を目的に収録エリアの見直し等を行ったため、23年5月時点では23版発行されている。
分冊した理由について、例えば23区の場合は「区ごとに分冊したことで、お住まいのエリアの情報を収集することができ、一層利便性が高まるというメリットがございます」とも明かす。
タウンページに掲載された電話番号は減っているのか。広報は「掲載件数は減少しております」と述べる。様々な要因があるとしているが、「固定電話が年々減少していることも、要因の1つ」だと説明している。
「企業やお店の情報を業種別に見比べる事ができる」
SNSではタウンページがなくなるのではないかと危惧する声もある。今後の発行部数について、広報は「発行者側(編注:タウンページの発行元であるNTT東・西日本)が、NTT回線をご利用のお客様や、世帯・事業所動向など様々な視点から勘案した上で発行部数は検討してまいります」と述べる。
タウンページは、インターネット環境がない人や、災害が起こった時にすぐ情報を探すことができる点で利用価値は高いとする。また「企業やお店の情報を業種別に見比べる事ができる点も利点ではないでしょうか」と説明した。
以前、タウンページの発行部数が16~19年度で急増したことを、一部メディアが取り上げていた。同社の広報数値によれば、15年度は約4000万部だったが、18、19年度はそれぞれ約6000万部発行されている。
増えた理由について、広報は「利用機会の向上などを目的として、2018年度からはNTT回線をご契約のお客様をはじめとして、幅広く世帯・事業所にポスティングにより配布させて頂いた事から発行部数が増えています」と述べる。
一方、広報数値では20年度には約3700万部、21年度には約3100万部と発行部数が減っている。こちらについて広報は、19年度以降ではタウンページの発行周期を全エリアで段階的に12か月から18か月に変更したことで、20年度と21年度とで発行エリアが異なることが影響し、広報数値上の発行部数が減ったと説明している。