「鉄道業に愛着をもってもらいたい」
取材に対し広報担当者は、ある新聞記事をきっかけに考案されたツアーだと説明する。
「その記事の記者さんが、子供のころ駅員さんに憧れていたと書かれていました。終電を見送り仮眠室で寝ている姿を想像し、それが楽しそうで『自分も駅員さんになりたい』と感じられたそうです。この記事を読んだ企画担当が『それなら弊社で実現できる』と考え、ツアーを計画しました」
せっかく来てもらうのならば楽しんでほしいと、様々な体験を盛り込んだ。列車の切り離し作業を間近で見学したり、特急車両の手洗い用の水などを給水したり、普段はできない体験ができる。駅舎での宿泊を伴う体験ツアーの実施は今回が初だ。
広報担当者は「大前提として、子どもたちに楽しんでもらうために企画したツアーです」と強調する。
「少人数での開催を予定しており、参加者が眠くなったり食事をとりたくなったりした場合は、臨機応変に対応します。全てのスケジュールを押し付けるつもりはなく、興味関心が薄い内容は飛ばしたり、逆にもっと見たい場所は長く見学したりすることも可能です。 駅舎での仮眠などの普段はできない体験を通じて、鉄道業に愛着をもってもらいたいと考えております」
広報担当者自身も、駅員や乗務員を務めたことがある。人々を安全に目的地に送り届けることには達成感を感じており、仕事に誇りを持っていると話す。
「今回の体験では、改札業務などでお客様にお声がけなどをしていただくことになると思います。人と人の触れ合いの中で、お客様に気持ちよくご利用いただけるという体験を通して、仕事に愛着を持ってもらえると思います」
実際に応募があった場合には、参加者たちの声を聞きながら、楽しい夏休みの思い出となるよう尽力すると話した。