新幹線の座席テーブルにスマートフォンを置いただけで、意図せずJR東日本のウェブサイトにアクセスしてしまったとして困惑する声がインターネット上で広がっている。実は、端末をかざすだけで通信できる「NFCタグ」がテーブルの裏側に貼られていたためだ。
東日本旅客鉄道(JR東日本)はJ-CASTニュースの取材に、「テーブル越しに機能してしまう状況は想定しておりませんでした」とし、対応策を検討すると明かした。
「私もほんと焦った」「確かに嫌だなあ」
アクセス先のサイトは、JR東日本が運営するECサイト「JRE MALL」。テーブル裏面にNFC(近距離無線通信)を用いたシールが貼られており、スマホをかざすと反応して通信する。NFCはキャッシュレス決済の場面などに活用されている。
シールには「ここにスマホをタッチ!」「車内タッチポイント実証実験中」といった文章とともに先のサイトが紹介されている。
ツイッターでは、「せめてQRコードなら受けての任意に使えるのに」「最悪の広告システム」などと否定的な反応が広がっている。
JR東日本のコーポレート・コミュニケーション部門担当者は2023年6月13日、当該シールは20年11月以降、「新幹線車内でのお客さま接点構築」のために順次設置したとJ-CASTニュースの取材に答えた。現在導入されているのはE2系・E5系・E7系の各6編成、計18編成。
「テーブル越しに機能してしまう状況は想定しておりませんでした」
担当者は、座席に着席した客が見られるよう、座席テーブルの背面に貼り付けていると説明。そのうえで「今回の状況は、座席背面テーブルを下した状態で、テーブル上にスマートフォンを置いた際に、テーブル越しにNFCタグを読み取ってしまうことが原因と理解しております」とし、
「今回のような、テーブル越しに機能してしまう状況は想定しておりませんでした」
と述べた。当該広告に否定的な反響は下記のように受け止めている。
「お客さまが意図せずNFCシール記載のURLにアクセスされてしまうことについて、ご不快の念を抱かせてしまったことは大変申し訳ありません」
今後については、「今回いただいた反響も踏まえまして、社内で今後の対応策を検討いたします」と伝えた。