「近寄らないでほしい」ソロキャンプ女性が悪質ナンパに恐怖 男性は酒酔い...注意に苛立ち「感じ悪いよ、君」

   夜中に強引なナンパ行為を受けたとして、ソロキャンプをしていた女性が、ツイッターにその様子を撮った動画を投稿した。

   女性が拒否して、男性はあきらめた様子だったが、女性の通報で警察も駆け付けたという。当時の状況について、女性に詳しく話を聞いた。

  • ソロキャンプを始めたが…(写真は、女性ソロキャンパー提供)
    ソロキャンプを始めたが…(写真は、女性ソロキャンパー提供)
  • 声かけ後に立ち去る男性(女性ソロキャンパー投稿の動画から)
    声かけ後に立ち去る男性(女性ソロキャンパー投稿の動画から)
  • ソロキャンプを始めたが…(写真は、女性ソロキャンパー提供)
  • 声かけ後に立ち去る男性(女性ソロキャンパー投稿の動画から)

女性はLINE交換を拒否し「警察呼びますよ」

   「僕あの、キャンパーの輪を広げたり...」。暗がりの中で男性が、声をかけた理由を説明する。女性は、「あ、そうなんですか?」と素っ気ない返事をするが、男性は、「教えてほしいものある」「怪しい者じゃない」と引き下がらない。

   女性は、友達がいてトイレに行っていると男性をけん制し、自分では分からないので女性でなく男性に聞いてほしいと伝えた。

   この動画は、女性ソロキャンパーが2023年6月7日夜に投稿した。ソロキャンプ中に危険を感じて動画を撮ったらしいが、映像は暗がりしか映っていない。「どこから来たのかわからないけど、暗闇でサイトに入ってきておひとりですか?って見てわかるよね」と不安をつづった。

   男性とは離れたようだが、その20分ほど後には、「帰りたい」と嘆いて、別の動画を投稿した。

   その動画を見ると、撮影を隠すためか地面が映っており、男性が「よかったら、LINE交換しませんか」と女性に求めていた。女性は、「いや、しないです」とはっきり断り、「警察呼びますよ」と警告した。しかし、男性は、「なんで警察呼ばなあかんの?」となおも引き下がらない。

   「ナンパしに来てるんですか?」。女性が男性に聞くと、男性は、「どこがナンパなの?」と認めなかった。女性は、「LINE交換しようって、ナンパですよね」と伝え、男性のキャンプ場所を確認しようとした。さらに、「声かけられて怖いじゃないですか、普通」と話すと、男性は、ナンパではなくキャンプの輪を広げたかったと強調した。

男性は「なんだ、てめえ」「何が警察だよ」

   その後も、2人の間でやり取りが続き、男性は、「分かった」「嫌だったら嫌でいいよ」「感じ悪いよ、君」とイラ立った。女性が「そっちが話しかけてきたんだろ?」と返すと、男性は、「なんだ、てめえ」「何が警察だよ」と怒鳴る。

「じゃあ、離れろ。別に、オレは興味ないから」「興味なかったら、声かけるの止めてもらっていいですか?」

   このやり取りの後、女性がその場を立ち去ろうとし、男性も「分かった、さよなら」と言って、離れて行った。このときに女性は、左手にライトを持った男性の後ろ姿を撮っていた。男性が「オレ、君に興味ないから」と捨て台詞を吐いて、去っていくところで動画が終わっている。

   女性はその後のツイートで、他のキャンパーが就寝中のため迷ったものの、22時過ぎに110番通報したと報告した。警察が到着したため、女性が撮った動画を見せると、警察が男性のテントに行って男性を注意したとしている。

   しかし、200メートルほど先に男性のテントがあるため、女性は一睡もできなかったと明かしていた。

   動画を投稿した女性ソロキャンパーは6月12日、J-CASTニュースの取材に応じ、 整備された管理人のいないキャンプと焚火を許可されている野営地で7日夜に今回のことがあったとして、当時の状況を説明した。

警察は「注意したので、気にし過ぎずに」と帰ったという

   それによると、この日は、約20人がソロキャンプに来ており、距離感を保ち設営されていた。女性は、18時ごろに現地に着いて、カップルから少しだけ離れた場所に設営をした。1人で晩酌をしていると、隣のカップルはデイキャンプで帰宅。左右には誰もおらず、かなり離れた場所に他のソロキャンパーがいた。

   20時ごろに左横の木の影から男性がこちらを見ているのに気付いたが、すぐにいなくなったため、あまり気にせずに酒を飲み始めた。 その後、21時ごろに、ランタンとライトで足元を照らす暗闇の中で、自分のテント前に男性が来て「こんばんは」と声をかけてきた。

   はじめは知り合いかと思ったが、暗闇で顔は見えなかったものの、自分のテントの近くまで来て初めて知らない男性だと分かり、とても怖かったという。女性は、ランタンを撮影していたので、そのままスマートフォンの録画ボタンを切らず男性に対応。危険を感じてスマホで撮影しているのが相手に分からないように、自分の足元を撮影し始め、最初の動画のやり取りの後、男性はいったん去った。 男性は、50~60代ぐらいで、かなり酒に酔っていたという。

   21時半ごろに女性は、先ほどのこともあり、警戒してスマホ撮影しながらライトを片手に暗闇の中、野営地のトイレに行くと、この男性がまたいて、「あれ? さっきの人?」といきなり話しかけてきた。そこから2つ目の動画のやり取りがあった。

   その後、女性は、110番通報し、警察は、「位置情報が出ているのですぐに警察官を向かわせます」と言って電話を切ったが、警察は道に迷ったなどと説明し、2時間後に到着したという。警察は、1人で歩いて野営地に来て、女性と男性に事情を聴いた後、「もう注意しましたので、気にし過ぎずに寝て下さい」と女性に話し、徒歩で帰って行った。

「すれ違っても、お隣に設営しても、軽くあいさつ程度に留めてほしい」

「テントの前に男性が来ることは、過去にもキャンプ場でも何度かありました。突然テント周りに足音もなく近づかれると、とても怖い。どこかですれ違っても、お隣に設営しても、軽くあいさつ程度に留めてほしいと思っています。 突然テントに来たり、キャンプギアを自慢してきたり、ジロジロ女性を見てみたり、一緒に飲まないか?とサイトに入って来たり、おせっかいな男性もいますが、ソロキャンパーは、寂しいのではなく、ひとりになりたい、誰にも気を遣いたくない。自然と会話していたい、ただ焚火を眺めながら癒されたいからソロキャンプに来ているのです。とにかく近寄らないでほしい」

   女性はこう明かして、次のように続けた。

「『自分の身は自分で守る』を基本に、野営地では特に気を引き締めて過ごしています。防犯対策も自分なりにしていて、ホイッスルや防犯ブザー、トレイルカメラをテント周辺に設置したりと、ソロキャンプでは工夫して来ましたが、まだまだ足りないことを今回実感しました。誰かが助けてくれるだろう、なんて軽い気持ちで野営地ソロキャンプはしていないし、自己防衛はしてきたつもりですが、あまりのしつこさ、女性を怖がらせている自覚がまったくない年配男性には腹立たしい気持ちでいっぱいです。
テントで過ごしているだけでは、どう防衛したらよいのか分かりません。女性は言葉では負けなくても、男性の力に女性は敵いません。これからは話しかけられても、親切に優しく話さずに一切無視してその場を去るか友達に来てもらう事を心がけます。危険人物と思ったら、すぐに遠慮せず周りに助けを求めて叫ぶのが有効だと思いますので、護身用の防犯対策も今まで以上に強化します。
野営地でもキャンプ場でも、ほとんどの方は話しかけてくることはなく、目が合ってもごあいさつ程度で気持ちのよい紳士なキャンパーさんばかりですが、男女問わず誰でも気持ちよく快適に過ごせるキャンプができたらと強く願っております。トイレ付近はキャンプ場、野営地でも、センサーライトや防犯カメラの設置が進むと犯罪率も低くなると思います。野営地でも、キャンプ場でも、女性をみると、話しかけたがる男性は必ずいます。ゼロには出来なくても、ナンパ目的やお酒の相手を見つけるためにキャンプに来る男性を少しでも減らしたいと強く感じております」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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