加藤未唯の失格騒動「なぜ主催者が罰せられないのか」 欧州メディアで識者指摘「ボール当たるリスクは当然」

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

   ルーマニアメディア「DC News」(WEB版)は2023年6月11日、テニスの全仏オープン女子ダブルス3回戦で失格となった加藤未唯(ザイマックス)の特集記事を組み、独自の視点で騒動を分析した。

  • 優勝した加藤ペア(写真:AP/アフロ)
    優勝した加藤ペア(写真:AP/アフロ)
  • 優勝した加藤ペア(写真:AP/アフロ)

「子供たちをコートに連れてきた主催者の責任だ」

   加藤が失格となった女子ダブルス3回戦は6月4日に行われた。第5ゲームのポイント間にネット際にいた加藤が自陣コートにあったボールをコート外に出すためバックハンドで返球。これがボールガールの頭部に当たり、ボールガールは泣き出してしまった。

   複数の欧州メディアによると、加藤は主審に警告を宣告されたが、直後に対戦相手のマリエ・ブズコバ(チェコ)、サラ・ソリベストルモ(スペイン)が主審に異議を申し立て判定が覆って失格になったという。

   加藤の失格をめぐり、欧州の元選手や解説者から同情的な声が上がり、複数の欧米メディアは主審が下した判定を批判的に報じた。

   ルーマニアメディア「DC News」は、地元の社会学者アルフレッド・ブライ氏とジャーナリストのヴァル・ヴァルク氏の見解を伝えた。

   ブライ氏は「なぜ15歳未満の少女があのような危険地帯にいるのだろうか」とボールガールの存在に疑問を投げかけ、「なぜローランギャロス(主催者)が罰せられないのか理由が分からない。コートの中でボールが当たるリスクがあるのは当然のことで、子供たちをコートに連れてきた主催者の責任だ」と主張した。

   ヴァルク氏は「野球と同じように保護用のヘルメットが必要だ」と訴えた。

「グランドスラムのルールに則って下した判断は明確なもの」

   加藤の失格騒動が大きな波紋を広げる中、全仏オープン・トーナメントディレクターのアメリ・モレスモ氏(43)が11日、大会総括の記者会見の席で加藤の失格に関する見解を示した。

   フランスメディア「Franceinfo」(WEB版)によると、モレスモ氏は「ロッカールームではこれ(加藤の失格)に関する意見は分かれていると思う。多くの人が不公平だと言うのを聞いている。ボールガールを7、8分間も泣かせたのだからそれは何かの意味があると言う人もいた」と述べたという。

   さらに「私は良いか悪いかのコメントをするつもりはありません」とし、「なぜなら判定が下った後にビデオを見るのは簡単だから。この決定は審判とスーパーバイザーがビデオを見ずに判断した。グランドスラムのルールに則って下した判断は明確なものだと思っている」との見解を示したという。

   加藤は6月9日にインスタグラムを更新し、ボールを当ててしまったボールガールとの2ショット写真を投稿。「あなたが元気で、ボールガールとしてボランティアを続けていることを聞いてうれしいです」などのコメントを投稿した。

姉妹サイト