DeNAのトレバー・バウアーの行動に球場がどよめいた。
2023年6月11日のオリックス戦(京セラドーム)。左翼ポール際の内野席に私服姿で現れたバウアーは試合をサプライズ観戦。観客たちが集まると、サイン会となった。球場側は試合進行に影響を及ぼす恐れがあると判断したのだろう。係員がバウアーに声をかけ、観戦を断念した。
異国での生活を堪能するバウアー
スポーツ紙記者は、「バウアーは9日の同戦に先発登板して7回2失点(自責1)の好投で3勝目を挙げました。先発投手は登板2日後が休養日のため、チームに帯同する必要はありません。自由行動ですが、まさかスタンドで観戦するとは。こんな行動をする外国人選手は見たことがありません」と苦笑いを浮かべる。
今年3月、DeNAに電撃入団したバウアーは日本文化に興味津々だ。自身のYouTubeチャンネルでは2軍の球団施設に電車で通勤したり、都内のポケモンセンターを訪れて楽しんだりする様子が配信されている。
20年にサイ・ヤング賞を獲得するなどメジャー通算83勝の32歳右腕。実力は申し分ないが、女性に性的暴行を加えたとしてMLBから出場停止処分を受けたり、マウンド上で首脳陣に不満を露わにしたりするなどトラブルメーカーのイメージが強く、今年1月にドジャースから契約解除されると、米国で獲得に乗り出す他球団は現れなかった。
だが、日本ではチームメートと良好な関係を築き、異国での生活を堪能している。球場でサプライズ観戦して波紋を呼ぶなど驚きの行動が多いが、日本の野球ファンからはSNS上で好意的なコメントが目立つ。
本業の野球でも登板を重ね、尻上がりに状態を上げている。6月は2試合登板で2勝0敗、防御率1.80。グラウンド内外でバウアーに要注目だ。(中町顕吾)