れいわ新選組の山本太郎代表が参院法務委員会の採決の際、数回にわたって委員長席に飛びかかる行動に出た問題で、共産党の志位和夫委員長は2023年6月12日に開いた記者会見で、行為の是非に関する論評を避けた。
山本氏の事案は6月8日に起き、翌9日には自民、公明、立憲民主、日本維新の会、国民民主の5党が山本氏に対する懲罰動議を尾辻秀久参院議長に提出している。共産党は懲罰動議に加わっていないが、事案から4日後の記者会見で「事実関係をよく確かめて対応したい、という段階」だと説明していることになる。
山本氏の行為は「議事運営を妨害」しようとするもので「参院の秩序を著しく乱す」
山本氏に対する動議の提出理由では、山本氏の行為で議員2人が負傷したと指摘。行為は「議事運営を妨害」しようとするもので「参院の秩序を著しく乱す」と批判している。志位氏の記者会見では、(1)山本氏の行為をどう受け止めるか(2)懲罰動議に値すると考えるか、の2点に関する質問が出たが、志位氏は次のように答え、行為の是非には言及しなかった。
「事実関係を私たちは今、現場から聞いているところだ。日本共産党としては、いわゆる懲罰動議の提出者にはならないという対応をしていると思う。現場では、事実に即して、今後の対応は決めていきたいと思う」
「事実関係をよく確かめて対応したい、という段階」
「いい、悪いの価値判断はまだしていない、これからする...と(いうことなのか)」
という確認の質問にも、
「事実関係をよく確かめて対応したい、という段階」
と述べるにとどめた。
記者会見は東京・丸の内の日本外国特派員協会で開かれ、3月30日に岸田文雄首相に手渡した共産党の提言「日中両国関係の前向きの打開のために」に関する内容。提言は、2008年の日中共同声明の「双方は、互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならないことを確認した」という部分など、過去の3つの合意や枠組みに着目して膠着(こうちゃく)した日中関係の改善を訴える内容で、志位氏は
「日中両国政府の双方から肯定的な受け止めが表明された」
「超党派の合意になり得る内容」
などとアピールした。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)