菅野智之、「見切り発車」登板も巨人OBが見出した期待 「そこら辺はさすがだなと感じた」

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   プロ野球巨人の菅野智之投手(33)が2023年6月11日にPayPayドームで行われたソフトバンク戦に今季初先発し、5回4安打4奪三振2失点で白星を飾った。4回に中村晃外野手(33)にタイムリーを許し2点を失うも後続を断ち5回を投げ切った。打者23人に対して93球の力投でチームの連勝を呼び込んだ。

  • 巨人・菅野投手(写真:アフロスポーツ)
    巨人・菅野投手(写真:アフロスポーツ)
  • 巨人・菅野投手(写真:アフロスポーツ)

「見切り発車的な登板だった」

   この日は制球に苦しむ場面も見られ5回で4四死球を記録。3つの四球全てがストレートだった。今季初先発で初勝利を挙げた菅野。上位浮上を狙うなか、エースの復帰は起爆剤となるのか。J-CASTニュースは、巨人で戦略コーチを務めた橋上秀樹氏(57)に分析してもらった。

   橋上氏は「率直に言うと、見切り発車的な登板だったという感じでした」と切り出し、「そのような状態でもさすがに5回までゲームを作ることができるのだと改めて感じました。球の強弱など色々と確認しながら投げていたと思います」と解説した。

   初回先頭の中村に2ボール後、9球粘られるも最後は外側から入ってくるスライダーで三振に仕留めた。2番・牧原大成内野手(30)に初ヒットを許し、1死1塁で3番・近藤健介外野手(29)を空振り三振。4番・柳田悠岐外野手(34)をショートゴロに打ち取り無失点で切り抜けた。

   橋上氏は初回の中村との対戦について「どこかで力を入れれば空振りなりもっと早めに打ち取れたと思います」とし、「ただまだアイドリング状態だった感じで、あまりアクセルを踏まずに様子をみながらの投球に感じました。球種、バランス、腕の振りなどその辺は『慎重に』と言う感じだったと思います。どちらかというと菅野選手本来というか、最後まで様子見の感の強い登板でした」と振り返った。

   3回は2死1塁から近藤、柳田をストレートで歩かせピンチを広げた。4回には1死走者なしから野村勇内野手(26)に死球を与え、続く三森大貴内野手(24)にライト前ヒットを許して1、3塁。甲斐拓也捕手(30)がセーフティスクイズを試みるも失敗に終わり、2死2、3塁の場面で中村に2点タイムリーを打たれた。

「次回登板はさらに良くなると感じました」

   橋上氏は「制球の面でいうともう少しだなと思います。菅野選手本来の感じからするとボールが若干高かったですし、キレ的にもファールで粘られる回数が多い。5回で4四死球というのは非常に多い。その辺はまだまだ本調子ではないと感じます」と指摘する一方で、この日の投球から期待を見出した。

「何球かアクセルを軽く踏んで投げている球がありました。その球に関しては腕の振りなど通常の菅野選手に近い感じでした。制球もある程度低めに集まっていた。強弱をつけて軽くアクセルを踏んだようでしたが、次回登板はさらに良くなると感じました。期待を感じさせるものでした。真っすぐにしてもフォーク、スライダーにしても大事なところでしっかり投げていた。腕のふりもかなり良かったし、そこら辺はさすがだなと感じました」

   今後夏場に向けての課題として7回を投げ切る「スタミナ」を挙げた。橋上氏は「菅野選手の制球であれば110球程度で7回くらいはいけると思う。今後チームとして担ってもらいたいポイントになる。戸郷(翔征)選手と2人でそれぐらい投げてもらわないと中継ぎ陣がもたないでしょう」と解説した。

   菅野は試合後のヒーローインタビューで「すごくつらい時間でしたけど今日少し報われたような気がするのでまた頑張っていきたいです」と振り返り、「あまり良い内容ではなかったんですけども野手の方に感謝して。あと僕の後ろを投げた中継ぎのピッチャーも本当によく頑張ってくれたので次回はもっと結果で示していけるように頑張ります」とリリーフ陣を気遣った。

   橋上氏は「色々と収穫を得て、やれる手応えを感じたと思います」とし、「監督をはじめチームとしては菅野投手に起爆剤になってほしいと思っているでしょう。精神的安定を得ることができるベテランの柱ですから。戸郷選手が勝っているといってもまだ若い投手。そういった意味では菅野選手は投手陣の柱なので周りが求めている」と語った。

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