邪魔だとして男性がベビーカーに体当たりしてきたと、乳児の母親がツイッターに動画を投稿して、被害を訴えている。
通行人が通報して警察が駆け付けたといい、母親は被害届を出す意向も示している。男性と母親の間で、一体どんなトラブルがあったのだろうか。
「男性は、『邪魔だ!』とベビーカーに体当たりしてきた」
サングラスをした黒いTシャツ姿の男性が「じゃあ」と言って、ベビーカーを左手でつかんで引っ張る。
「えっ、ちょっと何するんですか?」。男性が引っ張った拍子に、乳児が揺さぶられる様子も映り、母親が思わずこう叫んだ。
男性は、「じゃあ、交番行こう」と言って、左手で母親を指差す。母親は、「いいですよ、全然」と答えるが、男性がなおもベビーカーを引っ張るため、母親は、「えっ、何するんですか? 本当に」と抗議した。「ヤバいですよ」と母親が言うと、男性は、「ヤバくねえんだよ」「お前の方がヤバいんだよ」と声を張り上げる。
この口論を見て、通行人の男性が近寄って、ベビーカーを制止させると、男性は、いったん振り向くがすぐに無視する。通行人は、「事情は分かんないですけど、ちょっと赤ちゃん...」と声をかけると、男性は、別の通行人の女性に向かい、「お前、何撮るの?」と詰め寄った。この女性が男性に説明しているところで、30秒ほどの動画が終わっている。
この動画は、母親でモデルやプロポーカープレーヤーをしている「ななちゃら」こと實近菜那さん(23)が2023年6月7日にツイッターで投稿した。証拠を残そうと、スマホで撮影したという。1300万回以上再生されており、ネット上で関心を集めている。
實近さんは、東京都渋谷区内のJR恵比寿駅と複合施設「恵比寿ガーデンプレイス」をつなぐ動く通路「恵比寿スカイウォーク」を歩いていて、動画の男性が「邪魔だ!」とベビーカーに体当たりしてきたと投稿で説明した。實近さんが「すみません」と言って立ち去ろうとすると、男性は、再度体当たりしてきたという。
母親は、警察に暴行罪の被害届を出すことも明かす
これに対し、實近さんは、「何なんですか?」と抗議すると、男性は、詰め寄って来て勝手にベビーカーをつかんだとしている。
この騒ぎを受けて、周りの人が110番通報し、警察が来て、男性をパトカーに乗せて行ったと明かした。實近さんは、暴行罪の被害届を出すため、6月8日にも警察に出向くことも明らかにした。男性は、穏便に済ませようとしたが、實近さんは、それを拒否したという。
ツイッター上では、實近さんに何か原因があるのではないかと聞かれたが、それは違うと説明している。
恵比寿スカイウォークを管理・運営しているサッポロ不動産開発の広報担当者は8日、J-CASTニュースの取材に対し、動画投稿について把握していると答えたうえで、トラブルの状況を説明した。
それによると、5日の15時半ごろ、動く通路の横の歩道でトラブルが起きた。通行人からインフォメーションに情報が入り、警備員が現場に向かった。一般客が警察に連絡して、警察が呼ばれていたといい、警備員は、實近さんや男性に話を聞くことはしなかった。このため、詳細な状況は把握していないという。
ただ、警察から防犯カメラの映像を求められて提供し、警察に映像を確認してもらったとした。広報担当者は、「その後は、警察にお任せしています。今後も、スカイウォークを安全に使っていただけるように対応していきます」と話している。
警視庁は8日、取材に対し、渋谷署が対応したことを認めたうえで、「個別の事案については、回答を差し控えさせていただきます」とコメントした。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)