テニスの4大大会女子シングルスで18度の優勝を誇るマルチナ・ナブラチロワ氏(66)が、全仏で加藤未唯(ザイマックス)、アルディラ・スーチャディ(インドネシア)組と対戦したマリエ・ブズコバ(チェコ)、サラ・ソリベストルモ(スペイン)組を痛烈に批判した。
2023年6月4日に行われた女子ダブルス3回戦で加藤、スーチャディ組がブズコバ、ソリベストルモ組と対戦。問題のシーンは第2セットの第5ゲームに起こった。ポイント間にネット際にいた加藤が、自陣コートにあったボールをコート外に出すためバックハンドで返球。これがボールガールの頭部に当たり、ボールガールは泣き出してしまった。
ジョコビッチの時と「全然同じではない」
複数の欧州メディアによると、加藤は主審に警告を宣告されたが、直後にブズコバとソリベストルモが主審に異議を申し立て判定が覆って失格になったという。
加藤、スーチャディ組の失格をめぐり、欧州の元選手や解説者から同情的な声が上がり、複数の欧米メディアは主審が下した裁定を批判的に報じた。
元世界ランキング1位のナブラチロワ氏はツイッターで5日、この失格をめぐり「ルールの馬鹿げた解釈であり、対戦相手の失格を主張するなんて恥ずべきことだ」と批判的なコメントを投稿した。
さらにナブラチロワ氏は、20年全米オープンでノバク・ジョコビッチ(セルビア)が誤って線審にボールを当てて失格になったことをツイッターで指摘されると、「全然同じではない。あなたも分かっているはず。リンゴとオレンジほど違う」などと応えた。
ソリベストルモの地元スペインのスポーツメディア「MARCA」(WEB版)によると、プロテニス選手協会(PTPA)は6月6日に加藤ペアが失格となったことに関して「不当で不公平だ。偶発的で攻撃性のものではなかったことは明らかだ。これは規範違反とその後の追放につながるべきではありませんでした」などの声明を発表したという。