赤レンガの洋館跡残る「長府苑」に宅地化の懸念 下関市が三菱重工から買い取り意向示す

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「洋館などの建物や芝生庭園を残して公園に整備したい」

   西洋館などに文化的価値があるとされたが、長府苑は、今度どうなってしまうのだろうか。

   下関市の公園緑地課は6月6日、取材に対し、次のように説明した。

「西洋館などの建物や芝生庭園を残して都市公園に整備したいと考えており、三菱重工と交渉中です。取得したい意思を示しましたので、一定の理解を得たと考えています」

   取り壊された赤レンガ倉庫については、老朽化が激しくいつ壊れてもおかしくない状態だったため、三菱重工が倉庫を解体したと明らかにした。「倉庫は、西洋館とは別物で、文化的価値はないと考えています」と説明した。

   市の文化財保護課は同日、倉庫について、近代化遺産などの調査対象にリストアップされていなかったと取材に答えた。

   長府苑売却の情報が出た22年12月に市が倉庫を見に行くと、長年使われておらずツタに覆われた状態になっていたという。解体されたことについては、「ツタを取り除くなどしないと価値については分かりませんが、所有者の財産権を制限できませんので、その意向なら仕方がないと考えています」と話した。

   三菱重工の広報部は6日、「資産売却の個別案件については、回答を差し控えさせていただきます」と取材に答えた。赤レンガ倉庫を取り壊したことについても、特にコメントはしないとしている。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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