「嵐」の櫻井翔さん(41)が2023年6月5日、キャスターを務める報道番組「news zero」(日本テレビ系)で、故・ジャニー喜多川氏の性加害疑惑に言及した。
番組では、疑惑の解明を訴える元ジャニーズJr.のカウアン・オカモト氏らが国会で各党に署名を提出する様子を放送。そのVTRが終わると櫻井さんの発言が始まった。
「コメントをすることは難しいと考えていました」
櫻井さんは、「この件について、自分の言葉でお伝えできればと思います。今回の件ですが、私には2つの側面があると考えています」と指摘。1つ目として、自身が「問題の責任が問われている事務所に所属しているということ」。そして、もう1つとして、「大きな意味では自分は被害者側に見られうる立場に置かれているということ」と説明した。
続けて、「私にとって、この2つの側面を踏まえますと、コメントをすることは難しいと考えていました。今もまだどの立場でどうお話できるのか難しいのですが、お伝えしたいことの1つは、臆測で傷つく人たちがいるということです」と吐露。その後も発言を続けた櫻井さんは最後に、「最後にあらゆる性加害は絶対に許してはならないし、絶対に起こしてはならないと考えています」と訴えた。時折、涙ぐむ様子も見られた。
J-CASTニュース編集部は、櫻井さんの発言はファンや視聴者を納得させることが出来たかについて、メディアエンターテインメントを研究する同志社女子大学の影山貴彦教授に見解を聞いた。
「テレビとは、そもそもエモーショナルなメディアです」
影山氏は、今回の櫻井さんの発言について以下のように分析する。
「多くの視聴者は櫻井さんの説明に納得したのではないでしょうか。テレビとは、そもそもエモーショナルなメディアです。放送中の櫻井さんは苦しそうに、かつ、涙を浮かべながら発言していましたが、声を振り絞りながら言葉を1つ1つ紡いでいった姿に心を打たれた視聴者は多かったのではないでしょうか。
あくまで体感ではありますが、櫻井さんのファンもしくは嵐のファンの100%、ジャニーズファンの80%、視聴者の55%は納得したのではないでしょうか。ただ、もちろん、視聴者の残り45%と言えば良いでしょうか、今回の櫻井さんの説明では納得しなかった方も相当数いるでしょうから、櫻井さんとジャニーズ事務所は引き続き、これらの人々の声にも耳を傾けていただければと思います」
加え、影山氏は櫻井さんについて、注文があるとすれば以下の2点を挙げた。
「櫻井さんの発言では『臆測で傷つく人たちがいるということです』という箇所や、『すでにこの世界とは全く違う所で新しい人生を歩んでいる人たちがたくさんいます』といった、騒動の拡大を心配していることに言及する箇所がありましたが、これらに言及するより前に、『しっかりとプライバシーを保護した上で、どのようなことが起こっていたのかを調査してほしい』という、問題解決を主張する箇所を先に訴えていればなお良かったです。
また、櫻井さんは今回初めてジャニーズ問題に言及したわけですが、やはり、最初のチャンスだった5月15日の放送で発言していれば、より、キャスターとしての役割を果たせたのではないでしょうか」
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)
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— news zero (@ntvnewszero) June 5, 2023
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