「『ガーシー』で国会活動をすることを参院が認めたことが大きいです」
高堀氏は、容疑者に本名とは別に世間一般で使われている名前、すなわち「通名」がある場合、報道でどちらを使うかの判断をするにあたっての法律や公式なガイドラインはないと説明。あくまでマスコミ各社の自主判断であるとしつつ、今回のガーシー容疑者についての各メディアの報道状況を分析した。
「なぜ、東谷義和容疑者が『ガーシー容疑者』と呼ばれるかというと、これは2022年7月に行われた参議院議員選挙後に彼が、『ガーシー』で国会活動をすることを参院が認めたことが大きいです。その時点でガーシーは『通名』になりました。通名とは、実社会において、本名と同様に、あるいは本名以上に通用している呼び方のことです。逮捕時にはこれが使われるのが一般的です。そうしないと、誰が逮捕されたのか分かりにくいという判断です」
また、高堀氏は芸能人が逮捕された場合にも言及した。
「芸能人が使っている芸名も『通名』です。芸能人の過去の逮捕者を思い出してください。みんな芸名で報じられます。通名だからです。本名と併せて報じるところもありますが、これも自主判断です」
これらを説明した上、高堀氏は「ガーシー容疑者」という呼び方に違和感を覚える視聴者が多い理由を考察した。
「彼は芸能人ではないし、議員活動歴もなく、広く有名人だったわけではないからでしょう。彼のYouTubeを見たことのない人は少なくないはずです。それなのに通名だからといって報道に使うと、疑問に感じるのだと思います」
最後に、高堀氏は「テレビ報道は世間の声をかなり気にしますから」としつつ、ツイッターをはじめとしてインターネット上に違和感の声が多数挙がり続ける事態となった場合は、「ガーシー」という呼び方が使われなくなる可能性はあるとも語った。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)