日本最古の総合週刊誌『週刊朝日』(朝日新聞出版)が、2023年5月30日発売号で休刊した。101年の歴史に事実上、幕を下ろす。
競合の『サンデー毎日』(毎日新聞出版)は同日発売号で「同志でありました」と惜しみ、連載の一部を引き継ぐと発表した。
負のスパイラル「止められなかった」
最後の表紙は、編集部員が飾った。渡部薫編集長以下、33人のスタッフが「編集部あるある」を再現した1枚だ。編集部の陣容は副編集長が7人、編集委員が3人、部員が18人。そのほか、デザイナーや校閲、写真、販売などの関係者がいる。
吉永小百合さんや東山紀之さんなど100人以上からの休刊へのメッセージを掲載し、名物企画の「女子大生表紙」も一挙に紹介する。
休刊は23年1月に発表されていた。1922年2月に創刊し、政治、経済、スポーツ、芸能、文芸など幅広い分野をカバーした。直近の発行部数は7万4125部と「業績は堅調」とするも、業界の販売部数や広告費は縮小を続け、今後はネットメディア「AERA dot. (アエラドット)」と書籍部門に注力すると表明していた。
渡部編集長はユーチューブチャンネルで、全盛期である1950年代は150万部を売り上げていたと話し、近年は「メディアの価値が思ったように上がらなくなってくる。正直言って下がってくると、広告もなかなか入ってこなくなるという負のスパイラルがなかなか止められなかったというのが偽らざるところ」と明かしていた。
休刊号の編集長後記では、読者から多数寄せられた惜別の便りに「101年という年月は、読者の皆さんと共に重ね、文化を育んできた歴史なのだと心が震えました」と振り返り、「週刊朝日を愛してくださり、本当にありがとうございました」と感謝を伝えている。