国民民主党の玉木雄一郎代表は2023年5月30日の定例会見で、岸田文雄首相の長男で政務担当の秘書官を務める翔太郎氏が事実上更迭されたことについて、解散総選挙に向けた環境作りの一環だとの見方を示した。選挙に向けた準備を加速させたい考えだ。
一方、事案発覚直後に更迭を決められず、週末をまたいだことで騒ぎが大きくなったとして、「少し後手後手に回ったのは否めない」とも指摘した。
「セキュリティーの観点からいっても非常に問題」
翔太郎氏をめぐる首相公邸での忘年会問題は、週刊文春が5月24日にウェブサイト「文春オンライン」で初めて報じた。26日の参院予算委では野党から更迭を求められ、岸田氏は翔太郎氏を厳重注意したことを明らかにしたものの、その場では更迭や処分について明言しなかった。翔太郎氏の辞任を発表したのは29日夕のことだった。
玉木氏は
「セキュリティーの観点からいっても非常に問題があると思うので、辞任は当然」
とする一方で、事実上の更迭の意味を
「我々からしたら、やはり解散総選挙に向けた環境作りを一つ一つ着実に行っているのかなと思う」
と解説。その上で、
「我々としてはぬかりなく、選挙の準備を加速化していきたい」
とした。
「対応するときには速やかにスパッとやった方が」
岸田政権では、閣僚などの不祥事が発覚してから一度はかばい、若干の時間が経過してから交代させる、というパターンが続いてきた。これが政権の傷口を広げたという指摘は根強く、今回もそれが繰り返された。この点を念頭に、玉木氏は
「やはり総理として厳重注意をした時点で、もし、やめさせるのであればそういうときに判断しておいた方が、週末をまたいでこれほどの騒ぎにはならなかったのかなというふうに思うので、少し後手後手に回ったのは否めないのかなという気はする」
「処分というか、対応するときには速やかにスパッとやった方が結果としていいのでは」
などと述べた。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)