現場のアイデアも積極的に採用
ビバホームを運営するアークランズ広報は29日、J-CASTニュースの取材に、独特の陳列は「ムサシ流」を取り入れた結果だと明かす。
ビバホームはもともとLIXILグループの傘下で、新潟県を地盤とするホームセンター「ムサシ」などを運営する「アークランドサカモト」が2020年10月に子会社化、22年9月に吸収合併した。そのタイミングで社名を「アークランズ」に変更した。
ムサシでは、話題になった売り場のように「体験」「体感」を重視した店づくりをしている。ビバホームにもDNAの浸透を図っており、「例えば今回のトイレットペーパーの陳列方法をしている東京都八王子の店では、ムサシ出身の社員が店長をやっています。他の店でもどんどん取り入れていっています」と話す。
トイレットペーパー以外にも、歯ブラシ売り場ではブラシの先端を露出させ、ブラシの手触りがわかるようにしているという。
体験にこだわるのは、店舗面積の広さを背景とした品ぞろえの豊富さにある。
「弊社では商品を多く持っています。例えばドラッグストアやスーパーであればトイレットペーパーは2、3種類しかないかと思います。弊社の場合、4つ、5つと色々な種類があります。トイレットペーパーですと衛生用品なので当然パッケージングされていますが、違いがお客様にはわかりづらいので基本的には安い方に流れてしまいます。良いものには値段と釣り合う価値があるとわかってもらうために、例えば肌触りが良いとかいい香りがするとか、そうした部分を感じ取ってもらうために包装を解いています」(広報)
トイレットペーパーのユニークな陳列は「古くからやっている」といい、客からは「わかりやすくて良い」と評判は上々だ。耕運機の体験のために売り場に畑を作った際は、1.5倍の売り上げ増となった。
具体的なアイデアはどう生み出しているのか。「違いがわかるように、体感できるように。来店いただいた方に楽しく買い物をしていただく」という方針の元、売り場担当者のボトムアップと、本社主導のトップダウンによるという。前者の意見を採用することも少なくなく、「現場の裁量はかなりある会社だと思います」とする。