TBS安住アナ、長野立てこもり事件で卒業文集読み上げも「容疑者の何がわかるか...」 葛藤吐露?

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   長野県中野市で4人が殺害された事件を特集した情報番組「情報7daysニュースキャスター」の中で、TBSの安住紳一郎アナウンサーが容疑者の卒業文集の報じ方を巡り私見を述べる場面があった。

   事件報道と卒業文集は切っても切り離せない関係だが、かねてからその意義について賛否が渦巻いている。

  • 写真:アフロ
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三谷幸喜氏「犯罪に憧れているイメージ」

   2023年5月27日の放送では、長野県中野市で25日、4人が殺害された立てこもり事件を特集した。

   安住アナは「今回の事件は防ぎようがあったかというとなかなか難しいですが、ではなぜ犯行を及ぶにいたったのか。こういう人物を生まないために、というと綺麗ごとすぎるかもしれませんが」と切り出し、容疑者の卒業文集が記されたフリップを取り出した。

   「中学校3年生の時の卒業文集をもってして容疑者の何がわかるか、というところはありますが」と葛藤をにじませるような発言を挟んで読み上げていき、「理路整然と書いていますが、恵まれた家庭環境であるはずなのに少し素直じゃないというような。アンニュイを気取っている中学生らしい文章でもあるとは思いますが」と人物像を分析した。

   脚本家の三谷幸喜氏は、ロシアの文豪ドストエフスキーの名著『罪と罰』を想起し、「犯罪に憧れているイメージ。気取っている雰囲気も含めて」と危険性を感じ取ったという。

   一方、東京大学薬学部の池谷裕二教授は「自分なりの正義感みたいなものをこういうところ(卒業文集)から持ってくるとおかしな方向にいってしまうことがある」と冷静な見方を示し、「中学でこれが書けるのはすごいとの見方もできるし、こういうことで将来危険人物になると先走って決めつけるのも問題だし(扱いが)難しい」と指摘した。

   事件時には、容疑者の卒業文集を入手して動機やパーソナリティーに迫る「人となり報道」が定番になっている。

   一方で、読者や視聴者から疑問視する声は根強い。岸田文雄首相の演説会場に爆発物が投げ込まれた事件では、容疑者の中学の卒業文集が「異質文章」などと報じられ、SNSで批判が相次いだ(詳報:首相襲撃、容疑者の『人となり報道』に学者ら批判 問われる『卒業文集』のニュース価値)。

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