「甘く見ていた」ワンオペ育児のつらさ糧に 保育園でレトルト総菜販売、実現させた父親の熱意

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

「親としては、絶対に子どもにご飯を食べてほしい」

   既存のレトルト食品は大人向けのものが多かったため、保育園の給食を参考にしながら独自にメニューの開発を進めた。肉や魚や野菜などの素材や和洋中などのバランスを意識し、飽きが来ないようにメニューの入れ替えも行う。

「親としては、絶対に子どもにご飯を食べてほしいと感じます。購入するものなら尚更で、食べてくれるか分からないものを買うのはハードルが高い。絶対に食べてほしい。また小さい子どもに与えるものですから、信頼のおけるものにしたいと考え、保育園で働く管理栄養士の方に監修してもらいながらメニューを開発しています」

   一袋を子ども1人と大人1人分にまとめたのは、多くの家庭で柔軟に対応できると考えたからだ。パートナーが不在の時に利用したり、兄弟で好きなものが分かれたときにそれぞれが選んだりできる。子ども用と大人用で分ける案もあったが、別々に温めるのでは時短にならないと考えた。

   4月に千葉県内の一部の保育園で発売すると、ほとんどの場所で目標の売り上げを達成した。場所によっては想定の倍以上の売れ行きだったという。メニューはいずれも好評で、全体的に均一に売れている傾向があるという。

「パウチを補充しているときに、保護者の方に声をかけてもらいました。印象的だったのは、『夕食の準備が手軽になったことで子どもと過ごす時間が増えた』といった声で、家庭でのコミュニケーションの充実につながったことを嬉しく思います」

   保護者と意見交換する中で共感する話も多く、思わず子育て話に盛り上がってしまうことも多いという。

   タスミィに大きな反響があったことについては、「子育ては経験しないとわからないことが多い。上っ面だけの事業にならないで良かった」と受け止める。

「子育てに由来する悩みは多く、社会としても大きな課題であり、やるべきことはまだ多く残っていると思います。現在は事業実証段階ですが、今後も不満が解消されるようなサービスの提供に取り組んでいきたいです」

(J-CASTニュース編集部 瀧川響子)

1 2 3
姉妹サイト