ストレートのロングヘアを下した髪型で結婚式に参列したら、友人に『マナー違反だ』と指摘された――。そんな知人の話を紹介した、あるユーザーの投稿が、ツイッターで議論を呼んでいる。
J-CASTニュースは、現代礼法研究所代表のマナー講師・岩下宜子さんに見解を尋ねた。
「おしゃれしたつもり」で悪気なく出席するも...
議論を呼んでいるのは、2023年5月16日に投稿されたツイートだ。「結婚式に呼ばれてウキウキしてた若い知人が、翌週会ったらブルーな感じになってた」とし、
「私、結婚式にロングヘアを下ろして行ったらマナー違反って知らなかったんです。アイロンできれいにストレートにして行っちゃって、友達に注意されちゃった」
とする知人の話を紹介している。
取材に応じた投稿者によると、マナー違反だと注意された投稿者の知り合いは20代半ばで、5月に入って同級生の結婚式に参列した。服装はワンピースで、「肩甲骨までぐらいのストレートロングヘアを下ろした」髪型だった。
知人は普段、肩甲骨の下辺りまである黒いストレートヘアを一本結びしているが、この日は地味にならないよう髪を束ねず、ヘアアイロンをかけて「おしゃれしたつもり」で悪気なく出席した。
だが披露宴の途中で、同じテーブルの人に「髪は下ろしてきたらマナー違反って知らないの?」と注意された。
知り合いが慌ててスマートフォンで検索したところ、ダウンスタイルの髪型はマナーとしては良くないと書いてあり、「いたたまれない気持ちになった」と話していたという。
「人に不快感を与えない」ことが大切
ツイートは拡散され、議論になった。投稿には、
「30年近くブライダルの司会してます。食事の用意されたお祝いの席ではちょっとマナーが足りないかな、と思います」
「ストレートのロングヘアをアレンジせずに下ろして参加するのはNGだと思う」
「婚礼業界歴20年、ウエディングプランナー2級です。そんなマナー違反はございません」
「ブライダル系で仕事してましたが初めて聞きました、髪を下ろして参加する方結構いましたけど新郎新婦が気にしていた式ありませんでした」
といった声があがり、意見が分かれている。
結婚式でストレートのロングヘアは避けたほうがいいのか。マナー講師の岩下さんに5月19日に取材で尋ねると、
「人に不快感を与えなければ良いです」
とし、ダウンスタイルの髪型そのものがマナー違反にあたるわけではない、との見解を示した。
今回のケースについて、岩下さんは、髪を触る仕草や食事や挨拶の際に髪が料理にかかることが、他の参列者から見て気分のいいものではなく、そうした点から指摘されたのではないか、と推察。次のような対処法を伝えた。
「下を向くときに髪が垂れるので、クリップのようなものでくくり、食事や挨拶が終わったらさりげなくとれば良いのではないでしょうか」
「清潔感のある身だしなみ」で参列するのが良い
岩下さんは、どの髪型、装飾品がマナー違反かそうでないかというより、相手を思いやる気持ちが大事だと指摘。結婚式の場合は、人に好感をもってもらえるように、また不快感を与えないように清潔感のある身だしなみで参列するのが良いとした。
身だしなみは参列する人同士確認し合い、家族や知り合いにアドバイスをもらうのが良いと勧める。
そもそもの前提として、岩下さんはマナー違反だと人を批判するのは良くないと話す。
「マナーは自分がされて嬉しいことをする、自分がされて嫌なことをしない、思いやりの心の表現です。ルールがあるのは、ルールがあったほうが楽でその場に安心していられる分、人に思いやりの心を発揮することができるからです。人を批判するためにマナーのルールがあるわけではありません」