「多くの利用者は一定のサイクルで買い替えを行っているのでは」
自身もスマートロックを愛用する藤山さんは、機器の特性について、こうも指摘する。
「そのうちデバイス自体も壊れていくと思います。鍵によって穴の位置や回す方向、角度が異なり、Q-SL1は金属と接触した状態でそれらを検知しています。鍵の開け閉めが激しい家や公共の場所で何百人も使うドアに設置されていた場合、もう壊れるかもしれない。冷蔵庫やエアコンなど普通の家電と同じくらいの寿命です」
そのうえで、「多くの利用者は一定のサイクルで買い替えを行っているのではないか」と推測する。
その背景に挙げたのが、スマートロックの進化と競争の激しさだ。
「CANDY HOUSE社は先月、『SESAME(セサミ)5』を発表しました。厚みが薄くなり、より多くの鍵に対応できるようになりました。安価で4378円から購入できます。完全非接触の角度センサーも導入し、耐久性も上がりました。ICカードのようにスマホをかざすことで開閉できる『NFCタグ機能』の導入も早かった」
また、スマートロックにとどまらないサービスを展開する企業もある。
「スイッチボット社は、スマートホーム化を実現する様々な製品を展開しており、その1つにスマートロックを据えています。人感センサーや温度計、声で操作できる他デバイスと組み合わせて、暮らしに合わせたオートメーションが可能です」
藤山さんは、先述したように、他の家電と同様に買い替えは必要だとしつつも、マンションなど業務用に導入される例もあるとして、今後さらにスマートロックは広がっていくのではないか、との見方を示した。