ジャニー喜多川氏=2019年に87歳で死去=による性加害問題をめぐり、被害を訴えている俳優でダンサーの橋田康さん(37)が2023年5月26日、東京・丸の内の日本外国特派員協会で記者会見した。
性加害問題をめぐっては、5月14日夜、藤島ジュリー景子社長による謝罪動画と書面を公式サイトに発表。一連の事案について
「知らなかったでは決してすまされない話だと思っておりますが、知りませんでした」
とも主張していた。橋田さんはこの点について「信じま...せん」。「うやむやな部分」が残ることが問題解決を遠ざけるとして、藤島氏による記者会見や、第三者委員会による調査を求めた。
「信じま...せん。知らなかったことはないかと思いますね」
藤島氏が発表した書面では、喜多川氏がすでに死去していることなどを理由に、事実認定を避けている。元ジャニーズJr.の橋田さんは事実関係の認定が難しい点については
「確かに簡単なことではない」
と一定の理解を示す一方で、事案が長引くほど「応援してる人たちが迷う時間、苦しむ時間が増えていってしまう」と訴えた。
「(藤島氏の「知らなかった」という発言)を信じますか」と言う問いには「信じま...せん。知らなかったことはないかと思いますね」。その理由を
「内部でもそういう話、うわさなり、そういうものがあったわけで、そこにきちんと目を向けなかったということはあったとしても、全く知らなかったということはないと思う」
と説明した。
藤島氏の記者会見は「してほしい」。記者会見を開いて事実関係を明らかにするように求めた。
「はっきりと...『知らなかった』とかではなくて、きちんといろんなことをはっきりと提示していただけたら、僕もサポートというか、応援というか、そういうのがしやすいなと、僕だけではなくいろいろな人が多分感じていると思う」
第三者委設置なければ「信じられないとか、疑ってしまうことがいっぱい生じる」
第三者委員会の設置には「とても賛成です」。仮に設置されなければ「信じられないとか、疑ってしまうとかいうことがいっぱい生じてしまうと思う」とした。
記者会見では、児童虐待防止法の改正を求める署名活動を、橋田さんら喜多川氏からの性被害を訴える4人が連名で始めることも発表された。
現行法では、「児童虐待」の加害者は保護者に限定されており、喜多川氏が行ったとされる行為は該当しない。これでは「子どもたちを守るのには十分ではない」として、第三者も加害者に含めたり、「見て見ぬふりを止めることが、さらなる被害の抑止につながる」として、通報義務を強化したりする形での法改正を求めている。
立憲民主党は、こういった内容を盛り込んだ改正案を5月26日午前に衆院に提出したばかり。橋田さんは
「私はどこかの党の支持者ではなく、超党派でこの問題に取り組んでもらいたい」
と話した。
被害者として何が「最も望ましい形」かについて問われ、橋田さんは次のように話した。
「きちんと法改正がなされて、さらには、きちんとジャニーズ事務所も今までのことをきちんと清算(して)、向き合ってもらって新しいスタートを切ってくれたら、そこがこの話の終着なのかなと思っています」
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)