高知県の飲食店でカツオのたたきを注文すると、ニンニクなど大量の薬味がのった状態で提供されると、SNSでちょっとした話題になっている。
J-CASTニュースは2023年5月26日、高知市観光魅力創造課に地元流の食べ方を取材した。
「地元の皆様はこれ食べ切るんですか......?」
発端は25日、「野食ハンター」として活動するブロガー・茸本朗さんがツイッターで言及したことだった。添付した写真には多量のスライスニンニクやわさびが映っていた。
「高知でカツオのたたき頼むと必ずニンニクが食べ切れない量出てくるんだけど、地元の皆様はこれ食べ切るんですか......?」
投稿が拡散されると、ツイッターでは「たたきは薬味がメインデリッシュ」「ニンニクの少ない/無いたたきなんて有り得んでしょ」といった声があがった。
取材に応じた高知市観光魅力創造課の女性職員は、高知では多様な薬味を用いると説明する。
「薬味はニンニク、みょうが、ねぎ、スライス玉ねぎを用いることが多いです。カツオの下にスライス玉ねぎを敷き詰めるように提供するお店もあります。
柚子の生産量が日本一ですので、柚子ポン酢も多く用いられます。柚子ポン酢と、塩たたきがポピュラーな食べ方だと思います」
高知県は全国一のカツオの消費量を誇り、食べ方も様々だ。薬味をたくさんのせたカツオのタタキは、高知の代表的料理の一つと市の公式サイトでも紹介している。焼いたカツオが温かいうちに塩をまぶして食べる「塩たたき」も人気だという。
ニンニクをかけない派も
女性職員によれば、高知で提供されるカツオのタタキは厚みがあり、お酒に合わせて薬味もどっさり盛り付けることが多い。1人前に盛り付けるニンニクは5、6片ほどだという。
「ニンニクを盛りつける由来は、一説によれば、冷蔵などの保存技術が無かった時に殺菌目的で薬味をつけるようになったとされています。カツオの臭みを消す効果もあると言われています」
一方で女性職員自身はニンニクが苦手で「高知県民でもニンニクをかけない派はいます」とし、薬味にかける食材は個人の好みもあると話した。一方、薬味にニンニクを愛用する同じ課の男性職員はこう話す。
「カツオのタタキにかけるニンニクは刺激があっておいしいですね。県内の居酒屋では定番の盛り合わせで自然に出てきます。出身の中土佐ではニンニク農家をよく見かけました。青森ほどの生産量があるわけではないですが、地元になじみのある食材の組み合わせなのだと思います」
県外の人とみられるツイッターユーザーの間で薬味の量が話題になったことを受けては、2人とも驚いた様子だ。男性職員は「好きな量をカツオにのせて食べていると思いますが、たしかにどっさりかもしれません。薬味自体の味も好きで楽しんでいます」と話した。