来日中のマレーシアのマハティール元首相(97)は2023年5月24日、東京・丸の内の日本外国特派員協会で記者会見し、広島市で開かれていた主要7カ国首脳会議(G7サミット)について「同じような考えを持つ国々が集まって会議をするのは、独り言を言っているようなものだ」などと批判した。
G7メンバーや招待国の中で、核兵器保有国は米国、英国、フランス、インドのみ。それ以外に核兵器保有が明らかになったり、保有を疑われたりしているロシア、中国、パキスタン、イスラエル、北朝鮮などが参加しない中での議論は実効性に欠けるとの見方だ。
「何もしておらず、何の貢献もしていない」
発言は、中国やロシアがG7サミットに参加しない中で「どうすれば核兵器をなくすことができるのか」という質問に対する答えの中で出た。マハティール氏は、G7の議論のあり方について
「ある国のグループが自分たちの敵だと信じている、同じような考えを持つ人たちが集まって会議を開き、自分たちに有利な決定をした場合、それは世界をリードするものではない。世界は共通の問題に直面しているからだ。核戦争は、ターゲットとなる国だけでなく、ミサイルを発射した国にも影響を及ぼす。放射能は世界中に拡散するからだ」
などと主張し、「彼ら(中国やロシア)は(G7)7か国の決定に縛られることはない」と指摘。その上で
「(G7サミットの)全体の態度が間違っている。核戦争を回避したいのであれば、すべての核保有国と非核保有国を集めて、核兵器をなくすための方法と手段を議論する必要がある」
と話した。加えて、
「同じような考えを持つ国々が集まって会議をするのは、独り言を言っているようなものだ。何もしておらず、何の貢献もしていない」
とも批判した。