「懸垂のできる鉄棒のある公園をめぐります」――そんなテーマで運営されている個人サイトがSNSで大きな注目を集めている。高鉄棒や雲梯(うんてい)、ぶらさがり系の健康遊具など、日本全国各地にある懸垂ができる場所の情報がまとめられている。
なぜまとめようと思ったのか。サイト管理人「公園の鉄棒」さんに聞いた。
「懸垂のメーカー名まで載ってるしめちゃくちゃ網羅されてて狂気」
懸垂のできる公園は、Google マップを活用してリスト化されている。赤いピンで示される場所は、公園の鉄棒さんが実際に訪問し、自ら撮影した写真を掲載している。青色のピンは未訪問、黄色いピンは情報提供で寄せられた写真を掲載していることを示す。遊具の種類や設置場所で懸垂のできる公園を探すこともできる。
「近所に懸垂できる公園ないかな〜」と検索していたツイッターユーザーの目に留まり、14日に拡散された。サイトを紹介する投稿は17日16時までに8000件を超えるリツイート、2万件を超える「いいね」が寄せられるなど大きな反響があり、驚く声が広がった。
「ちゃんと全国網羅してるし、割とローカルなところも入ってるし、もはや怖い」
「自宅近くでけっこう探してみつけた普通の児童公園もちゃんと載ってて感動!ありがとう!」
「懸垂のメーカー名まで載ってるしめちゃくちゃ網羅されてて狂気」
取材に対し公園の鉄棒さんは、ツイートの影響か15日は2万件を超えるアクセスがあったという。平常時も日に300件ほどアクセスがあるが、「今回がいちばん多そうです」と述べる。問い合わせフォームから情報提供も増え、感謝している。
常連から多数の情報提供が寄せられることも
懸垂できる公園リストは、20年12月に公開された。当初は1000件ほどの情報をまとめていたが、23年5月現在は8000件ほど掲載されている。
リストはキーワードで検索して得た情報や、Google Map 上にあげられた写真、Googleストリートビューをもとに、設置された遊具を確認しながら掲載を進めている。ツイッターや問い合わせフォームによる情報提供も募っている。
「いまは週に5通程度の情報をいただいています
うち数人は常連さんで、1回にまとめて数十件単位で送っていただくこともあります」
公園の鉄棒さんは2015年ごろから、昼休みやジョギング、散歩中などに、鉄棒巡りを始めた。当初は「ちょっと懸垂」という掲示板を活用し、自分用のマップにまとめていた。しばらくして運動習慣はなくなってしまったものの、自転車で公園をめぐるなど運動の動機づけとして「懸垂のできる公園」探しを続ける。
自ら集めた情報がある程度たまってきた際に、「同じように探している人の役に立つかな」とサイトを公開した。本業はIT技術系のサラリーマンで、ホームページづくりの勉強に取り組んでおり、ちょうどいい題材だった。サイトについて収益化の予定は、いまのところないという。
「今後の取り組み予定は、まずは都内のピンを自分でひと通りめぐることです」
公園の鉄棒さんのお気に入り遊具は、日都産業の「パラレルハンガー」。ぶらさがりバーと平行棒がセットになっている遊具だ。メーカー公式サイトによれば、小型ながらも、ぶらさがリ、懸垂、足上げ、平行棒を利用した様々な運動ができる。公園の鉄棒さんは「懸垂(とディップス)に特化したような形で、使いやすい」と推した。