便利なはずの宅配ボックスで...住民悩ます「満杯問題」 宅配大手3社&メーカーの見解は

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トラブル増加の背景

   宅配便大手3社(ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便)に「満杯問題」の見解を聞くと、次の回答だった。

「現時点で全国的に配達に支障をきたしているという認識はございません。ただし、宅配ボックスが満杯で配達できない場合も確かにございますので、お客さまにおかれましては、宅配ボックスへ配達完了となったお荷物はなるべくお早めにお受け取りいただくよう、お願い申し上げます」(日本郵便)
「おっしゃる通り、状況やタイミングによっては宅配ボックスの空きがなく、お届けができない場合もございます」(ヤマト運輸)
「支障をきたしているとはいえないです。というのも、当社としては宅配ボックスがある前提で対応しているわけではないので、お伺いさせていただき不在だった場合にあれば入れさせていただきます」(佐川急便)

   宅配ボックスメーカーの「日本宅配システム」は取材に、満杯問題について「決して弊社製品の使用においてということではなく業界全体の課題としてではありますが」と前置きして「提案先から得る各物件の情報や宅配に関するニュース・SNSなどから増加を実感しています。特にコロナ流行の過去3年の間に増えたと感じています」と答えた。

   増加の背景については「通常、宅配ボックスは鋼板製ということもあり、しっかりした製品であれば20年程度使用することが可能です。そのため、今から10年前の宅配個数に合わせてボックス数を決定し設置していた物件が、現在の必要数に対応しきれなくなっていることが何よりの原因と考えています」と分析する。

   改善のためには「宅配ボックスに自分の荷物が入っていることを最短で気づき、外出時間帯の通知であれば帰宅途中に取り出すこと、そしてそれを管理組合などで周知いただくことです。弊社製品はタッチパネル機能を持つ電気式宅配ボックスですので、タッチパネルへの着荷表示やメール、ポスト一体型の機種ではポストを開けた時に宅配お届けサインが出る機能もあります。また一部内覧会のサービスとして、製品取説をスマホからいつでも閲覧できる機能も提供しておりますので利用方法について理解を深めていただく工夫を施しています。それらの情報を掲示板に共有設備の使い方として掲出し、荷物の長期滞留防止を各世帯にお願いすることも可能かと思います」としている。

   日本宅配システムでは、満杯問題に対応するため、各戸の玄関横に設置する戸別宅配ボックスも販売している。

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