埼玉県指定の重要遺跡である熊倉城跡で、「宝探し」と称して掘削行為をしたとして、人気ユーチューブチャンネルの運営者が2023年5月16日、「お騒がせして申し訳ありません」と謝罪した。
このユーチューバーをめぐっては、同県文化資源課が法令違反の恐れがあるとしてSNSで注意喚起していた。指摘を受けて「ハンドシャベル程度はそこ(掘削)にあたらないと認識していました」と釈明するも、県はJ-CASTニュースの取材に「掘削行為自体が文化財保護法に抵触する恐れがあると考えています」との認識を示した。
「古銭」を目標に捜索
ユーチューブチャンネル「宝探しちゃんねるATENALES」では5月7日、「秩父の熊倉城を金属探知機で宝探し!」と題した動画を公開した。
このチャンネルは、海や川、山などで「宝探し」をするとのコンセプトで運営しており、登録者は24万人いる。過去にはユーチューブ公式ツイッターアカウントでも紹介された実績のある人気投稿者だ。
動画では、熊倉山(埼玉県秩父市)に築かれた熊倉城跡での宝探しの模様を収めていた。男性2人が「古銭」を目標に捜索し、金属探知機が反応した箇所をシャベルで次々と掘り返していく。結局見つからなかったものの、鎌や釘、缶、ワイヤーなど多くの金属類を発掘した。
埼玉県文化資源課は15日、ツイッターでこの動画に言及した。「動画投稿サイト上に『宝探し』などの名目で、文化財として周知されている土地と思しき場所を掘削する動画が見受けられます」と報告し、「文化財保護法や文化財保護条例によって指定等された土地を、法令で定められた手続きを経ずに掘削等を行うと、法令に違反する恐れがあります」と警告した。
「今後の活動方法を考えていこうと思っております」
動画の説明欄には17日までに「文化財保護の観点でコメント、各SNSでご指摘ありましたので埼玉県文化資源課、秩父市教育委員会に確認中です」と追記された。
運営者の見解として「文化財保護法にて、土木工事などの開発事業の掘削に申請が必要なことを認知していましたが、ハンドシャベル程度はそこにあたらないと認識していました」とするも、確認が済み次第、「今後の活動方法を考えていこうと思っております」と活動方針の変更も検討しているとした。視聴者らには「改めて内容を動画にしたいと考えております。お騒がせして申し訳ありません」と謝罪する。
文化資源課は17日、J-CASTニュースの取材に「何センチを掘ったら問題だという数値的な基準があるわけではないです。(必要な手続きなしに)掘削行為自体が文化財保護法に抵触する恐れがあると考えています」との認識を示した。
これまで同様の行為は確認されなかったものの、本件を受けて秩父市が掲示物などで注意喚起を検討しているという。