櫻井翔はジャニーズ性加害問題を語る必要があったのか? 「news zero」発言なく賛否...専門家の見解は

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   「嵐」の櫻井翔さん(41)が月曜キャスターとして出演する「news zero」(日本テレビ系)が2023年5月15日に放送された。番組ではジャニーズ事務所社長を務めていた故ジャニー喜多川氏(2019年死去)の性加害疑惑について、14日に同社の藤島ジュリー景子社長が動画と一問一答形式の文書で謝罪したことを報道した。

   藤島氏謝罪をめぐる番組での報道は、メインキャスターの有働由美子アナウンサーが単独で担当。VTRの紹介に始まり、スタジオに切り替わると「この件については、番組で話し合って私が話します」として、疑惑へのコメントを述べた。一方、同報道でジャニーズ事務所所属の櫻井さんが語るシーンはなく、有働アナが話す最中に姿が映ることもなかった。

  • 櫻井翔さん
    櫻井翔さん
  • 櫻井翔さん

「ニュースキャスターである以上、何らかの発言はなさった方が良かったと思います」

   有働アナは番組で1人カメラの前に立ち、「まずは性被害については、被害者のケアを最優先に考えてほしい」「ファンや私たちが迷いなく夢を見続けられるようにしてほしい」「プライバシーを十分に守った上で情報をオープンにする社会的責任を果たしていくべき」と話していた。

   櫻井さんが疑惑について語らなかったことに、インターネット上では「はっきり言って残念。なんかコメント欲しかったね」「もっとしっかりしてる人だと思ってた」などと批判が寄せられた一方、対照的に「別に櫻井くんコメントしなくて良くないか?」「そりゃ櫻井くんはなにも言えないだろ」と擁護する声も上がった。

   J-CASTニュースはこうした賛否の声があがっていることを踏まえつつ、そもそも櫻井さんは番組中に発言する必要があったか否かについて、メディアエンターテインメントを研究する同志社女子大学の影山貴彦教授に見解を聞いた。

   影山氏は編集部の16日の取材直前、15日の「news zero」で疑惑を報じる際に櫻井さんが全く映らなかったことを授業の題材にした上で、学生に「櫻井さんは何か言うべきだったか?」と尋ねるアンケートを実施していたという。

   その結果、授業に出席していた20数人の圧倒的多数が「言うべきことはなく、放送された通りで良かった」といった意見だったことを明かした。その理由の多くは、「ニュースキャスターという立場はあるだろうが、櫻井さんにこれ以上つらい思いはさせなくてよい」というものだったという。

   影山氏は同日の放送での櫻井さんについて以下のように述べた。

「僕の意見としては、やはり、櫻井さんはニュースキャスターという役目を担っている以上、何らかの発言はなさった方が良かったと思います。番組では特集VTRのあと、有働アナウンサーが単独でカメラに映り、『この件については、番組で話し合って私が話します』とおっしゃいましたが、これだと『櫻井さんがしゃべる部分を有働アナが引き取った』という形になってしまっていました。

その後、番組はそのままCMに入り、それが終わると早くも別のニュース。番組スタッフとしては櫻井さんを守りたかったのでしょうが、櫻井さんがスタジオにいないかのようなやり方は果たして本人を守ったことになったかと言われると、疑わしさはぬぐえません」

発すべき言葉は「受け止めに留まるもの」が、ちょうど良かった

   影山氏は櫻井さんの出演の仕方について望ましい形についても述べた。

「極端な話、きちんとした文章になっていなくてもいいですから、腹の底から絞り出された本人の言葉と共に、櫻井さんの表情をワンカットで良かったので映してほしかったと思います。これがあれば、キャスターの役目は十二分に、とは申しませんが、果たせたのではないでしょうか」

   では、発する言葉はどんなものが良かったのだろうか。

「まず、謝罪の言葉ではないというのが大前提です。そして、本人がいかに苦しんでいるかというものが伝わるものが良かったでしょう。何を言うべきかは非常に難しいですが、『キャスターとして何かを結論付ける』というものよりは、『私も所属タレントの1人して、今回のことを非常に重く受け止めております』といった、あくまで『受け止め』に留まるものがちょうど良かったのではないでしょうか。本人の難しい立場を考えれば、これを超える言葉を望むのは酷かと思います」

(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)

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