ジャニーズ性加害告発男性「ずるずる話が長引いてしまうのでは」 事実認定避けた事務所謝罪に指摘

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   ジャニー喜多川氏=2019年に87歳で死去=による性加害問題をめぐり、喜多川氏による被害を訴えている歌手のカウアン・オカモトさん(26)と俳優でダンサーの橋田康さん(37)が2023年5月16日、国会内で立憲民主党が開いた「『性被害・児童虐待』国対ヒアリング」に出席した。

   この問題をめぐっては、ジャニーズ事務所が23年5月14日夜、藤島ジュリー景子社長による謝罪動画と書面を公式サイトに公開したばかり。2人は藤島氏が顔を出して謝罪したことを評価した一方で、事実認定を避けている点について、橋田さんは「そのままにしておくと、これからどんどん、ずるずる、その部分で話が長引いていってしまうのではないか」と指摘。事実関係の解明を訴えた。

  • 立憲民主党の国対ヒアリングで発言するカウアン・オカモトさん(奥)と橋田康さん(手前)
    立憲民主党の国対ヒアリングで発言するカウアン・オカモトさん(奥)と橋田康さん(手前)
  • 立憲民主党の国対ヒアリングでは、児童虐待防止法のあり方が話題になった
    立憲民主党の国対ヒアリングでは、児童虐待防止法のあり方が話題になった
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「そのままにしておくと、これからどんどん、ずるずる...」

   動画・文書の公開に先立って、オカモトさんは約2時間にわたって藤島氏と面会して謝罪を受けている。オカモトさんは面会で藤島氏の気持ちが「ひしひしと伝わってきた」とした上で、動画と文書の公開を

「まずは顔を出して、ジャニーズ事務所代表として出ていただいたことは、僕は感謝しているし、第一歩だな、始まったな、という思い」

だと評価した。

   橋田さんもオカモトさんと同様の見解を示したうえで、事実認定を避けている点については

「そのままにしておくと、これからどんどん、ずるずる、その部分で話が長引いていってしまうのではないかと心配している」

と指摘した。

   論点のひとつになったのが、2人が訴えているような性加害が児童虐待に当たるかどうかだ。現行の児童虐待防止法では、「児童虐待」について

「保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)がその監護する児童(18歳に満たない者をいう。以下同じ。)について行う次に掲げる行為」

と定義。「次に掲げる行為」は4つあり、そのうちのひとつが

「児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること」

だ。こういった虐待行為が疑われる子どもを見つけた人に対して、児童相談所などに通告することを義務づけている。

「単純に怖いですよね、それだと」「改正していただけると...」

   こども家庭庁の担当者は

「お話をうかがう限りは、ジャニー喜多川さんは保護者には当たらないと考えている」

と説明し、2人が訴えている性被害は児童虐待防止法上の児童虐待には当たらないとの見解を示した。

   オカモトさんは「単純に怖いですよね、それだと」。橋田さんも「改正していただけると、自分的にも本当に少しだが、決着はひとつつくのでは」と話した。

   山井和則衆院議員は藤島氏もヒアリングに呼びたい考えを示した。

   岡田克也幹事長は5月16日夕の記者会見でヒアリングに言及。法改正以外にも対応が必要になるとの見方を示した。

「児童虐待防止法が現行では不十分ということであれば、それを修正するというのはひとつの方向。ただ、それだけで済む話ではなくて、やはり虐待や、場合によっては非常に広範囲に、しかも力関係が明確にある中で行われてきたということについて、多くの被害者がいらっしゃる可能性が高い。それに対して我々が放置していいという話ではない」

   ジャニーズ事務所の発表については「あれで十分だとは到底思えない」と批判した。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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