脳科学者の茂木健一郎氏が2023年5月15日、ジャニーズ事務所のタレントのパフォーマンスについて「学芸会」に例えて批判した自身の投稿について、改めて真意を説明した。
「いろいろ問題がありすぎるということ」
ジャニーズ事務所創業者として知られる故ジャニー喜多川氏による少年らに対する性加害疑惑に関連して、茂木氏は12日、次のようにツイートしていた。
「ジャニーズ事務所の問題は、ジャニーさんのこともそうだけど、歌も踊りもへたくそな若い男の子たちの学芸会のパフォーマンスを、『スター』というキャラ設定で垂れ流しして、番組のMCや大河の主役に起用して、日本のエンタメのレベルを落としてきたことへの検証こそメディアはやってほしい」
投稿は物議を醸した。
ジャニーズグループのファンとみられるユーザーらから、「『以前から思ってました』みたいにこのジャニーズが問題を抱えている時にわざわざそういう意見を仰るのは本当に下品な行為だと思いますよ」「問題が明るみになってから手のひらを返してディスりまくるのは卑怯だな。長年応援してきたファンや支持者の気持ちを踏みにじってまで批判するのは不自然だし、矛先を演者に向ける意味が解らない」などとする批判も相次いでいた。
茂木氏はかつて「SMAP」や「嵐」を称賛する投稿を行っていたことから、「素晴らしいほどの手のひら返しだな」などとする指摘も目立つ。
その後、茂木氏は15日になって、物議を醸した上記ツイートを引用し「このツイートが現時点で1500万回以上表示されてぼくも驚いている」と反応した。そのうえで、
「いただいたコメントを見ていて感じたのは、ジャニーズのアイドルの人気を支える構造には、ルッキズムを含めて、いろいろ問題がありすぎるということ。そのあたりがクリアになった以上、とても支持できないと結論した」
と続けた。
NHKにも苦言「放送の公共性にかんがみて適切な方向転換を」
先述した茂木氏の15日の投稿は、ジャニーズタレントとNHKについて持論を展開した連続するツイートの1つ。
これらの投稿は、ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子社長による14日の謝罪動画と声明の内容を、NHKが報じたことを受けてのものとみられる。
ツイートの中で茂木氏は、次のようにも主張していた。
「日本には表現の自由があるし、誰が何を推したりファンになってもそれは自由だけれども、ジャニーズのボーイバンドという事象は、世の中のどこかで活動してファンがいるのはいいとして、NHKのような公共放送がメインのコンテンツとして放送するのにふさわしいものではないということがよくわかった」
「ジャニーズのボーイバンドとそれをささえるファン心理のさまざまな問題点が明らかになった今、そのような文化を主要番組や大河ドラマや紅白歌合戦でフィーチャーしてエンドースし、結果として若い世代に宣伝する役割を果たしてきたNHKは、放送の公共性にかんがみて適切な方向転換をしてほしい」
昨日は中央公論新社『婦人公論』の取材で、嵐の15周年記念コンサート「デジタリアン」を、東京ドームにて拝見させていただきました。嵐のみなさん、ジャニーズ・ジュニアのみなさん、そして、スタッフのみなさん、すばらしいステージをありがとうございました。
— 茂木健一郎 (@kenichiromogi) December 23, 2014