巨人は中継ぎ陣を立て直せるのか 「昨オフのツケ」元コーチが指摘「ある程度予測できたと思う」

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   プロ野球巨人が2023年5月12日から東京ドームで行われた広島との3連戦を1勝2敗で負け越した。初戦、第2戦とも9回に守護神・大勢投手(23)が失点し同点に追いつかれる展開。第3戦では先発・赤星優志投手(23)が6回まで1失点と好投を見せるも7回に満塁本塁打を浴び逆転負け。8回には代木大和投手(19)が2点を失い、3連戦を通じて投手力の弱さが浮き彫りとなった。

  • 巨人・原監督(編集部撮影)
    巨人・原監督(編集部撮影)
  • 巨人・原監督(編集部撮影)

「昨オフに外国人選手をほとんど切ってしまった」

   15日時点でリーグ5位に低迷し、チーム防御率4.20はリーグワースト。157失点もリーグワーストで現在の投手力が数字に表れている。5月30日からセ・パ交流戦が開幕するなかで巨人投手陣が立ち直ることができるのか。J-CASTニュースは巨人で戦略コーチを務めた橋上秀樹氏(57)に分析してもらった。

   橋上氏は「7回、8回は色々な投手を使っているが、安定している投手があまり見当たらない」とし、「投げてみなければ分からないという投手が多くて落ち着かない印象です。もちろん勝ちパターンを固定したいのでしょうけども今のメンバーから見て誰かというと、内容的にも結果的にも固定できるメンバーは見当たらない。そしてここにきて大勢投手が打たれるようになってきたので終盤の戦い方が不安定になってきている」と解説した。

   巨人は昨オフ、多くの外国人選手を自由契約として放出した。

   投手では、先発のC.C.メルセデス投手(29)、リリーフのルビー・デラロサ投手(34)、チアゴ・ビエイラ投手(30)らが自由契約となった。これら投手の代わりにタイラー・ビーディ投手(29)、ヨアン・ロペス投手(30)、フォスター・グリフィン投手(27)、ヨアンデル・メンデス投手(28)を獲得して戦力を補強した。

   橋上氏は「昨オフに外国人選手をほとんど切ってしまった。代わりの投手を補強できているかといえばできていないと思います。ロペス投手は1軍に上がってきてすぐに2軍に落ちてしまった。中継ぎで考えられていたが機能していない。現状を見ると、デラロサ投手やビエイラ投手を切ったことのマイナスだけある」と分析し、次のように続けた。

「昨年からプラスのものがみえてこない」

「昨シーズンの敗因を分析すればピッチャーを補強しなければいけないというのは明らかでした。残念ながら昨オフはそこにあまり手が加わらなかった。それが大きなツケとして回ってきている。今は必死にそこの整備に回っている状況。ある程度予測できたとは思いますが、昨年からプラスのものがみえてこない」

   開幕から1ヵ月以上が過ぎ5月30日にはセ・パ交流戦が開幕する。巨人はどのようにして投手陣を立て直してくるのか。

   橋上氏は「補強を含めて今シーズンどのような見通しを立てていたのか。見通しが甘かったことは否めない」と指摘し、今後の展開に関して「トレードでの補強は十分にあるでしょう。中継ぎ陣の強化というのは今後浮上していくためには一番のポイント。急務だと思います」との見解を示した。

   中継ぎ陣が不安定な中、中川皓太投手(29)が5月15日に育成から支配下登録された。スポーツ紙などの報道によると17日にも1軍に昇格する見込みだという。19年からリリーフの柱として活躍したが、昨季は腰痛の影響などもあり1軍での登板はゼロに終わった。今季は2軍で調整を続けていた。

   橋上氏は「ひとつの救いはここかもしれません」とし、「ただブランクがあるので故障前と同じものが出せるかというのは不透明です。見切り発車でなければ良いと思います。中川投手がダメだったら手の内がなくなる感じですから。首脳陣にしてみればなんとか救世主になってくれと思っているでしょう。首脳陣が描いているのは大勢投手の前の8回だと思います」と解説した。

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