東京・新宿の繁華街の歌舞伎町で、ネズミ30匹超がゴミを漁る様子を撮った動画がネット掲示板で紹介され、その数に驚く声が上がっている。
動画はいつ撮ったのかはっきりしないが、近くの飲食店によると、2023年5月に入って同様な騒ぎがあったという。いつから、こんな大群が出現するようになったのだろうか。
動画との関係不明も、ネズミがゴミに群がる異常事態が5月に発生
「デカイなw」「こんな人おる時間帯でもこんだけ出てくるんやな」「繁殖力が凄い」
ネズミを撮った14秒の動画は、5月14日に5ちゃんねるのスレッドで投稿され、それを見て書き込みが相次いだ。まとめサイトが15日に取り上げ、動画が拡散している。
ビルの階段下わきにゴミ袋がいくつか積まれ、そのうちの1つの周りに、灰色のネズミが多数集まって、争うように散らばったゴミを漁っている。
通行人も多い夜の歌舞伎町のある通りで、集まった若い男性ら数人が、あ然とした様子でネズミの方を見ていた。
このゴミ置き場では、いつ撮ったのか分からないが、TikTok上でも、22年の8月と12月に多数のネズミがゴミの袋や箱を漁る様子を撮った動画が投稿されていた。一体どんな状況になっているのだろうか。
近くのある飲食店のスタッフは5月15日、J-CASTニュースの取材に対し、5月に入ってからこの場所でネズミの大群が発生する騒ぎがあったと明かした。
「そのときは異常でしたね。別のスタッフが見ていたのですが、ゴミ袋が破けて、ネズミがやたらと群がる何かが散乱していました。色んな人が写真を撮っていましたが、噛まれたという被害は聞いていません。ネズミがいるのはしょうがないですが、ちょっと怖いですし、衛生的ではないですね」
この店では、営業が終わった深夜にこのゴミ置き場にゴミを出しているが、ネズミが入らないように箱に入れているという。
2、3年前から大量発生「店のゴミ出しのマナーがちょっと悪い」
近くにある別の飲食店の店長は5月15日、取材に対し、少なくとも2、3年前からこのゴミ置き場でネズミが大量発生していると説明した。
「けっこうずっといますよ。多いときは、50匹ぐらいいます。モルモットか子猫ぐらいでかくて、体長は15~20センチぐらいありますね。夜中のほか、日中もチョロチョロしています。手を出さないので、被害はありませんが、通りから見えますので、キャー、ワーといった通行人の声は聞こえます。階段から店に降りてくるときもあり、追い払っています。衛生的によくないですし、店の営業にも多少影響が出ていますね」
ビル側でも、ネズミの駆除のため薬をゴミ置き場にまくなどしているという。すると、一時的にはネズミの数が減るものの、また30、40と増えて行き、イタチごっこ状態になっていると嘆いた。
「ビルの8階まで飲食店があり、ゴミ袋をボンボン上に積んだり、ゴミ箱にフタをしなかったりする店もあります。マナーがちょっと悪いと思いますね。対策としては、ネズミの巣を潰したり、扉付きのゴミ置き場に変えたりする方法があるかもしれません」
東京都新宿区保健所の衛生課は15日、取材に対し、ゴミを漁っていたのは、ドブネズミではないかとの見方を示した。
「クマネズミは、天井裏などに潜んでいて、人を見ると逃げます。ドブネズミは、植え込みなどに穴を掘って土の中に巣を作っており、下水などにも生息しています。あまり警戒心がなく、人も怖がりません。夜行性ですので、夜にゴミを出されると、食い散らかされます。数は把握していませんが、かなり生息していますね。一年中出没していますが、大群というのは聞いていません」
ドブネズミは、手を出さなければ危害は加えないものの、噛まれるなどすると感染症になる恐れがあるという。驚かせたり、攻撃したりしないよう注意する必要があるとしている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)