「軽率」という言葉の用法がツイッターで話題になっている。きっかけは、日本経済新聞社の校閲グループによる解説ツイートだった。
投稿では、近年「軽率に」が「気軽に」といった意味で用いられていると紹介。しかしSNSでは、この用法に違和感を訴える声もある。
J-CASTニュースは、「軽率に」という言葉の用法などについて、2人の識者に話を聞いた。
「気軽とはちょっとニュアンス違うと思う」
日本経済新聞社の校閲グループが運営するツイッターアカウントは、日本語に関する豆知識の紹介などで人気を博する。2023年4月26日、「もっと軽率に参加したい」という例文を紹介し、次のように解説した。
「軽率は主に『軽はずみ』ということを表しますが、近年は例文のように『気軽』といった意味で使うこともあります。この使い方を、みなさんはご存じでしたか」
実際にSNSでは、「軽率に○○くん(俳優の名前)が好きになりました」「まだ見たことない人に軽率に○○(作品名)見てほしい」といったやりとりが飛び交う。
しかしツイッターでは、「気軽とはちょっとニュアンス違うと思う」「気軽と置き換えると意味が変になる」などと日経校閲の解説に違和感を訴える声が上がった。
インターネット上で「軽率に」という言葉はどのような意味を持つのか。ITジャーナリストの井上トシユキさんは取材に対し、次のような推察を述べる。
「私自身は(前出のような)『軽率に○○したい』もしくは『軽率に○○して欲しい』といった用法を見聞きしたことはありませんが、『気軽に』と比べてネガティブで、必要以上にへりくだっている印象を受けます」
ツイッターでは、「軽率に」を用いているというユーザーから、「後ろめたさが表れている」「元の語義に近い意味合いで使ってる」といった声もあがっている。