「ネタバレ食らいたくなくて買うしか無くなったww」
"原因"は、12日発売のニンテンドースイッチ向けゲームソフト「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム(ティアキン)」だった。大人気ゲームシリーズ「ゼルダの伝説」の最新作で、17年に発売した前作「ブレス オブ ザ ワイルド(ブレワイ)」は世界で約3000万本売り上げた。
主人公が、物語の舞台となる世界の危機を救うため、「オープンワールド」を冒険するストーリーで、今作は遊べる範囲が大地に加えて「大空」に広がった。
ゲームの発売日には、ツイッターでゲームを理由に会社などを休む「ゲーム休暇」「ゼルダ休暇」がトレンド入りした。ポケットペアの社員も、ユーモアたっぷりに「ティアキン休暇」を申告した形だった。
ポケットペアの溝部拓郎社長は12日、J-CASTニュースの取材に、約50人の社員のうち10人以上が発売初日からティアキンを楽しんでいると明かす。社内チャットでは専用チャンネルも設け、すでに130件以上投稿されている。
実際の書き込みを見せてもらうと「誰が最初に落下死するんだろうか...」「ついにきた チュートリアル完」「左上のボス倒しました」と進捗や攻略情報が共有されていた。「買うか悩んでたけどネタバレ食らいたくなくて買うしか無くなったww」と心の叫びもあった。
同社は22年2月に人気ゲーム「エルデンリング」が発売した際も、「業務に集中できないことが予想される」として「エルデン休暇」を支給している。
溝部氏はゲーム休暇について「素晴らしい文化だと考えております」と評価し、「弊社はゲーム開発企業で、いわゆる『神ゲー』をプレイしている事は採用面でも重要視しています。その点を踏まえると、ティアキンのような歴史的名作は全社員がプレイする事が望ましいので、ゲーム休暇を支給する事は理に叶っていると考えております」と持論を述べた。
一方で、「ティアキンやエルデンリングのように全人類が認める神ゲーの場合は判断しやすいのですが、どれぐらい偉大なゲームからゲーム休暇を支給するかは今後の課題です」と経営者ならではの悩みを吐露した。
ツイッターでは会社の風通しの良さを羨む声もあった。溝部氏にフラットな組織づくりの要諦を聞くと、「どちらかというと、ツイッターやDiscord(ゲーム利用者向けSNS)でふざけるのが好きな人間が集まった結果、自然とこうなったような気もしますが、あえて上げるなら、ルールの規定が無く、雑談チャンネルが沢山あるのが意外と良いのかも知れません」とアドバイスした。