開発者の郷土愛がにじむアプリ
アプリを開発した渡部さんは、Webやアプリのデザイン、開発、サーバーの構築などIT関連全般の仕事をしているという。鹿児島で育ったことから、地元への恩返しのようなことをしたいという思いで「へがふっど!」を開発した。
「世界的にも火山の近くに人が住んでるというのはかなり珍しいので、もっともっと多くの人に知ってもらえたらいいなという感じです」
鹿児島では、ニュースの天気予報と同様に桜島上空の風向きについて触れるという。火山灰によって、洗濯物が汚れたり、目が痛くなったりしてしまうことがある。
「日常に近いところに火山があるんですが、噴火は県民にとっては死活問題に近いです。 先に話したニュースやWebでも風向きは教えてくれているんですが、アプリだと噴火したよっていう通知も送信できますし、天気予報や風向きなども閲覧できるので、そうした情報をアプリで配信できたらすごく便利だろうなと思って作成しました」
アプリ名は鹿児島弁「へがふる(灰が降る)」に由来する。開発を意識した時から、語呂の良さや分かりやすさから「へがふっど!」と名付けようと考えていたという。名前以外は普通のアプリにするつもりだったが、リリース前に説明文も鹿児島弁で書くことにした。
「普通の説明よりもわかりにくいけど、分かる人にはわかるからいいかって感じです。 いろんなアプリがあるかと思うのですが、UIもそうなんですけど、他のアプリとの差別化をはかろうとしたときに、ユーザー体験も大事だな。そうなるとターゲットにしているユーザーが一番親しんでいる言葉のほうがいいな。であれば方言だなと言った感じで方言を採用しました。 英語、日本語だけでなく、こうした方言に特化しているとある意味本当のローカライズで面白いのではないかなと思って作りました」
文面はすべて渡部さん自身が作成しており、「鹿児島の人からしたらまだ初級のほうの方言」だという。
「実際に日常ではあまり使ってない言葉もありますが、ニュアンスといいますか、こういった説明をしたいならこういう方言になるなといった感じです。そうした微妙なニュアンスの部分がより難しくしてしまっているのかもしれないです。 鹿児島のシステム会社の人が私の知らないところで解説動画を作成してくれているみたいなのですが、その中でも『わざとらしくない鹿児島弁』と言われていたので良かったです」