TBSは2023年5月11日放送の報道番組「news23」で、故ジャニー喜多川氏の性加害疑惑を自省とともに詳報した。
約10分間にわたって被害者の証言などを伝え、「報道機関がどれだけ、こうした被害を報道してきたのか。少なくとも私たちの番組ではお伝えしてこなかった現状があります」とメディアの責任に触れた。
「カウアンさんのこの発言は非常に重い」
11日の放送では、番組開始7分後から10分間におよびジャニー氏の性加害疑惑を特集した。
この日は、ジャニーズ事務所所属タレントのファンが、疑惑の検証を求めて記者会見を開いていた。この動きとともに事務所の見解を報じ、被害を訴える元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトさんらの証言も盛り込んだ。
一連のVTR後、メインキャスターの小川彩佳アナウンサーは「取材に応じてくださったカウアンさんは、ジャニー氏の疑惑について『当時からメディアが報じていたらジャニーズ事務所に行くことはなかった』とも話されていました」と言及した。
カウアンさん4月12日の記者会見でも、NHKのディレクターから「もし当時、大手メディアが報じていたら、ご自身の選択は変わったと思うか。例えばジャニーズに入所すること自体ためらったり、選択は変わったと思うか」と尋ねられ、
「大問題になるはずなので、多分親も行かせないと思います。(当時は)未成年なので僕の判断だけで決められないですし、どっちの角度から見ても多分なかった」
と答えていた。
小川アナは「はたして報道機関がどれだけ、こうした被害を報道してきたのか。少なくとも私たちの番組ではお伝えしてこなかった現状があります」とメディアの報道姿勢を振り返り、「その中でカウアンさんのこの発言は非常に重く、この言葉には向き合わなければならないと感じています。今後番組では、こうした訴えをしっかりと受け止め、報道していきたい」と結んだ。