「無料USB充電できる案内板」SNSで脚光 全国に190基、さらに拡大も?開発元に詳しく聞いた

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   「画期的」「知らなかった」――そんな驚く声がSNSで相次いだのは、広告会社のエムシードゥコー(東京都千代田区)のUSB充電ができる歩行者案内板だ。主要施設などを記した地図だけでなく、USBポートが搭載されている。

   同社の事業開発部は、J-CASTニュースの取材に対し、USBポートを搭載した案内板は日本全国に約190基あると明かす。他にもフリーWi-Fiや防犯カメラ、環境センサーなど様々な機能を組み合わせた同社の案内板には、多くの自治体から問い合わせが来ているという。

  • USB充電器を搭載した案内板(エムシードゥコー提供)
    USB充電器を搭載した案内板(エムシードゥコー提供)
  • 案内板に搭載されたUSB充電器(エムシードゥコー提供)
    案内板に搭載されたUSB充電器(エムシードゥコー提供)
  • USB充電器を搭載した案内板(エムシードゥコー提供)
  • 案内板に搭載されたUSB充電器(エムシードゥコー提供)

2019年夏に初導入

   話題の発端は、2023年5月9日のツイッター投稿だ。名古屋市内の歩行者案内板でUSB充電ができると写真付きで紹介されると、他のユーザーから「画期的」「知らなかった」などと驚く声が相次ぎ、話題になった。

   案内板の正面には、現在地などが表記された地図とともにUSB充電が出来ると伝えるマークが記されている。その側面にUSBポートが搭載されており、充電ケーブルを繋いで充電するという仕組みになっている。

   エムシードゥコーの事業開発部は5月10日、案内板にUSB充電器を搭載した狙いについて、観光中にスマートフォンを充電する場合や、救急車などを呼ぶために充電する場合、災害が起こった時に電力を提供する場合を想定していると取材に答えた。

   この案内板は、19年夏に横浜市で初めて導入された。SNSでも、横浜市に設置された案内板の写真とともに「最近気づいた」「スマホ充電出来る!」と述べる投稿が複数見られる。

   一方、USB充電器を搭載していない案内板もある。事業開発部は「搭載している機能の種類と組み合わせは都市によって違います」とし、フリーWi-Fiや防犯カメラ、環境センサーなどを搭載している案内板もあると説明した。

   エムシードゥコーの案内板は、東京都、神奈川・川崎市、横浜市、名古屋市、富山市、大阪市、鹿児島市に設置されている。例えば、名古屋市ではフリーWi-FiとUSB充電器を搭載しているが、防犯カメラのみを搭載している都市もある。

広告を活用して税金を使わない案内板

   名古屋市が導入しようと決めたのは18年11月。今後、品川―名古屋間を結ぶリニア中央新幹線の開業などで来訪客が増えると予想し、新たな案内板を設置することを決定したという。この事業パートナーとして選んだのが同社で、20年12月頃に設置された。

   事業開発部は「今も多くの街や自治体から本事業(編注:案内板の事業)について問い合わせを頂いています」と明かす。

   ごく一部の例外を除き、案内板の製造や設置、清掃メンテナンスなどの費用は、案内板に掲載された広告の収益で賄われているという。そのため、自治体や住民が費用を負担する必要はない。

   事業開発部は「海外からの観光客が増えることが予想されていますが、老朽化した掲示板や更新されていない地図サインなどがまだまだ多く残っています」と指摘。これらを再整備したり、高機能にしたり、運営や維持をしたりすることが課題になっているという。

   「広告を活用して税金を使わずに地図サインを整備・維持管理するこの事業の需要は高まっていると感じます」と、事業開発部は述べる。

   今後について「その街に求められている施設や機能を税金を使わずに整備・維持管理し、その街に住む人々や訪れる人々に喜んで頂ける質の高いサービスを提供したいと考えています」としている。

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