野球雑誌「週刊ベースボール」が2023年5月上旬、オンラインサイト「週刊ベースボールONLINE」に掲載した記事が物議を醸している。
04年のプロ野球再編騒動の渦中にあった大阪近鉄バファローズとオリックス・ブルーウェーブ、千葉ロッテマリーンズと福岡ソフトバンクホークス(当時はダイエー)がそれぞれ翌年に「連合軍」を組んだ場合の「仮想オーダー」を記載した特集内容に「ファンの気持ちを逆撫でする」「遊んでいいネタじゃない」などと批判の声が相次いだ。記事は現在までに削除されている。
「ご意見を踏まえ、総合的に判断して掲載を終了」
週刊ベースボールONLINEは2023年5月5日に「オリックスと近鉄。合併ではなく"連合軍"として2005年を迎えたら?【プロ野球もしもオーダー】」と題した記事を公開。記事には04年の球界再編騒動で合併した近鉄とオリックスの主力選手がそれぞれ名を連ねた仮想オーダーが記載されていた。
また7日には「パ・リーグ首位のソフトバンクと日本一のロッテ。もし2005年に"連合軍"を形成したら?【プロ野球もしもオーダー】」と、ロッテとソフトバンクを対象とした仮想オーダーの記事が掲載されている。
04年の球界再編問題ではチーム数の削減や1リーグ制案などに球界から反発の声が噴出。ファンは反対運動を展開し、選手たちはストライキを行うなど、大きな騒動となった。結果的に近鉄とオリックスは合併し「オリックス・バファローズ」となり、一部選手は分配ドラフトにより新設球団の楽天に移籍した。また、ロッテとダイエーも一時期は合併が取りざたされていた。
再編騒動の渦中にあった球団を扱った特集記事に対し、ツイッター上の野球ファンからは「あまりに当時の事情を理解していない」「当時のファンの気持ちを逆撫でする」「遊んでいいネタじゃない」「あの時期の空気を知っていればあんな記事は書けんはずだが・・」などと批判の声が相次いでいた。
その後、2つの記事は5月9日までに削除された。週刊ベースボールONLINEを手がけるベースボール・マガジン社の担当者は11日、J-CASTニュースの取材に「記事を閲覧したユーザー様からのご意見を踏まえ、総合的に判断して掲載を終了しました。今回頂戴したご意見を今後の企画、記事づくりに生かしていきたいと思います」と説明した。